リバロス ブレイドウィザード72L
ヴィボーノ60L(プロトモデル)
カーディナルC3&ジュラルミンスプールRULER
(出商店・チューン&オリジナル)
PEライン0.8号&ナイロンリーダー10ポンド
プラウ40S ブルー
中部地方 某本流河川
2025年4月
昼間
晴れ
未計測
未計測
アングラー:長野のJustin HieHer(ながののジャスティン ヒーハー) 長野県長野市在住

昨年末ごろ、スプリーモの関さんから、
開発中の新型バイブレーションプラグに関するお話を聞いた。
私は常日頃から、
ミノーで釣れないとすぐバイブレーションを投げたがるタイプだから、
それはそれはとても気になるお話でした。

年が明け、私の手元に荷物が届いた。
またスプリーモの関さんが勝手に送ってきたのだ。

中身は、既存のどのバイブレーションプラグにも似ていない、
ミノーライクなサイズと質量の新型プラグ。
そして スプリーモお得意のバックリップ付き!

「どうぞご自由に使ってみてください」
「遠慮のない意見をお聞かせください」
「根掛かりロストは絶対に厳禁」
という一方的なLINEも、スプリーモの関さんから。

最近スプリーモのインスタグラムで紹介されているのが、
この新型バイブレーションプラグ『ヴィボーノ60』なのです。

とりあえず『リバロス ブレイドウィザード86H』に、
『ヴィボーノ60』のヘビーモデル・約10gバージョンをセットして、
近所の犀川にエントリーしてみた。

今まで使っていた既存バイブレーション製品より圧倒的に軽いのに、
飛距離、沈下速度ともに同レベル。
いや、狙った棚への侵入速度は、それ以上かもしれない。
アクションは、タダ巻きでは微細な振動。
そうかと思いきや、ロッドワークには機敏に追従してリアクションし、
ボディをロールさせてキラキラと身をよじる。
あの『バイラ70H』のような舞いを見せるのです。

「これは バイブレーションではない」
もはやミノーだ。
「棚を自在に操れる、運動性能抜群のリップレスミノーだ」
率直にそう感じた。

例えば アップに投げてから、目の前を通過させて、
自分を中心としてコンパスで180度の半円を描くように、
ダウンクロスまで探ることをイメージしていただきたい。

よくあるバイブレーションであれば、
自分の前を通過するまでは、ほぼ役に立たない。
リフト&フォールで探ったとしても、
プラグは自重で前のめりになりっぱなしで、
アップダウンさせる誘いの手数は、圧倒的に少ない。
逆にダウンクロスになっても、
ボトム付近の棚を振動しながら扇状に巻いてくることしかできない。

そしてトゥイッチを掛けたら、高確率でリーダーがフックに絡み、
グルグルとボディが回転して、そこで終わってしまう。

この『ヴィボーノ60』は、
背中のバックリップが水をつかみ、離さないから、
アップの状態でも水流抵抗を生み出して、ゆっくり引ける。
おかげで、ラインスラッグを出してリフト&フォールをさせても、
前にスリップしにくいから、圧倒的に誘いの手数が多くなる。

ダウンクロスになっても、
低層から軽やかに中層を滑走させることができ、
ロッドを立ててアクションを入れると、
背中のタイイングアイを中心に、ボディを左右にウォブリングしてくれる。
リアクションを演じて誘ってくれる。

ドリフト時もしかり。
流すところは微細な振動で底波に食いつき、ゆっくり流下するが、
ラインスラッグを出して送り込むとフラッタリングし、
縦のトゥイッチでは、ボディをローリングさせて誘ってくれる。

いままで、『ロンズ』9cmや『バイラ70』シリーズでは釣りにくかった棚を、
きっちり攻略するためにも、これはまさにスーパーウェポン!

春になると、またスプリーモの関さんから勝手に荷物が届いた。
今度はヘビーモデルに加えて、ライトモデルも入れられていた。
「バシバシ使い倒してやってください」
「ロストすると、処罰を与えます」
という一方的なLINEも、またスプリーモの関さんから。

雪が解け、春めいてきた中規模本流に、
満を持して『ヴィボーノ60』たちを手にして訪れた。
狙いは雪代大イワナ。
この『ヴィボーノ60』なら、絶対ヒットに持ち込める確信があった。

決まったレンジを浮かすことなく引けるボディフォルムの水流キープ力。
派手に泳がず、普段は微細に動き、
ロッドでスイッチを入れた時だけ激しく誘うダンス力。
雪代河川の押しにも乱れないバックリップのブレーキ力。

これなら…
あの警戒心の塊のような大イワナも、バックリ食いつくに違いない!

そして、答えはすぐに出た。
普段なら『ロンズ スローシンキング7cm』をアップ目にキャストして、

長い助走距離を設けてナチュラルに流下させ、
暴れさせずに狙った場所までていねいに、そっと流し込むところ。

今回は、狙ったポイントのちょっと上、男波の吹き上がりにキャスト。
すぐに底波に入れ、バンバンッとロッドでアクションを入れ、
『ヴィボーノ60』をボトムで舞わせ、また微細な動きでドリフト&スイング。
7gの『ヴィボーノ60ライト』が、
ゆっくりと流れる川底の流れに同調した瞬間、
「ズドンッ!」

ヒットしたのは50cmを超えるくらいの太った立派なイワナ。
薄型にシェイプされた『ヴィボーノ60』のボディフォルムは、
鱒族の口の中にすっぽり収まるから、フッキングが良い。
しかも、何しろ自重が軽いから、
鱒が首を振ったときに、ルアーが口から吹き飛ばされにくい。
重いバイブレーションの欠点のバレやすさが、皆無に感じる。

「またすごいルアーを作ったものだ」
と感心しながら、次はアップでの釣りに使ってみる。

長いランに流れ込む筋の、左サイドにアップクロスで投入。
素早くラインスラッグを取って、リフト&フォールを開始。
普通のバイブレーションでは根掛かるか、
リーダーがフックに絡んでボディが回転してしまい、使用できない。

そんなシチュエーションだが、『ヴィボーノ60』なら釣りになる。
本来なら『モフィー60SS』などで、
ヒラ打ちで横方向に通すトレースが良さそうな流れでも、
この『ヴィボーノ60』なら、縦方向の誘いで釣りになるのだ。
バイブ振動だけではなく、
ロッドワークを強めに入れて、ボトム近くで激しくローリングさせると、
前に滑って進んでこないから、ネチネチときっちり攻められる。
そして、跳ね上げてフォールさせれば、その瞬間がバイトチャンスだ。

大体、今までこのポイントの状況で、
バイブレーションを投げる釣り人はいなかっただろが、
この新型バイブレーションプラグ『ヴィボーノ60』なら、
新しい誘い方ができてしまう。
横の攻めだけではなく、縦の攻めでの新しい誘い方。

この縦の攻略でヒットしたのは、
狙っていた大イワナではなく、ブラウントラウトだった。

しかし、鱒族にしっかり効いている。
水中でしっかりアピールし、
仕事をしていることが、ヒシヒシと使い手に伝わってくる。

バシバシ使い倒して、ロストもせずに、お魚たちを釣りましたよ。
生桜エビとか、生シラスとか、うまい薫製肉とか、
スプリーモの関さんから、勝手に届いちゃうのかな(ウフフ)?

まるで魔法のように流れを攻略できる、
真新しいバイブレーションプラグ『ヴィボーノ60』ヘビー&ライト。 
中規模本流などのトラウトの釣りをもっと熱くしてくれる、
新機軸プラグに違いないと、断言します。