リバロス ブレイドウィザード810XH
ロンズ スローシンキング9cm
ケイムラクチボソシルバー
(出商店・オリジナルカラー)
ステラ4000C
PEライン1号&ナイロンリーダー17.5ポンド
長野県 犀川(さいがわ)
2022年6月2日
午後5時前
晴れ
20℃
未計測
TLK(ティーエルケー) 長野県安曇野市在住

梅雨入り前の長野県。
年明けから長く続いた激務が一瞬だが落ち着き、
ここぞとばかりに休みを取って犀川へ出掛けた。

不安定だった天気もここ数日は安定していて、
SNSにもいい感じの釣果報告がちらほら。
久しぶりにじっくり釣りができるとあって、うきうきしてフィールドに立ったのだが、
期待とは裏腹に全く反応を得られない時間が続いた。
午後3時近くになり、強い日差しと暑さで集中力も切れてきてしまったので、
いったん車の中で休憩し、夕マヅメに勝負を掛けることにした。

この日最後のポイントとして選んだのは、
対岸にぶつかる分厚い流れと、手前のカケアガリで構成された大場所。
いかにも大鱒がいそうな雰囲気だが、それだけにプレッシャーも高く、
過去にこのポイントでいい釣果を出せたことは無かった。

既に半分以上折れかかっている心を奮い立たせ、
『ロンズ スローシンキング9cm』の、
出商店さんオリカラ・ケイムラクチボソシルバーを結び、
流心の向こう側へ投げ入れる。
『ロンズ スローシンキング9cm』をできる限り丁寧に、
静かに流し込むことを意識しながら、
時折細かな誘いを入れて釣り下っていく。

何投かおきに流すレーンや距離、誘い方を少しずつ変えながら、
分厚い流れの下に潜んでいるはずの大鱒をイメージしながら、
ひたすらキャストを繰り返す。

そんなことを繰り返し、何十投目だったか…
ターン後に誘いを入れていた、
『ロンズ スローシンキング9cm』の動きが突然止まった。
「根がかりか?」
と思った次の瞬間、
大きなヘッドシェイクの感触が、
『リバロス ブレイドウィザード810XH』を持つ手に伝わった…
「魚だ!」

大きく深呼吸し、魚の次の動きに集中するが…
魚はさほど暴れるそぶりを見せず、静かに川底にへばりついている。
慎重に、慎重に、川底から魚を引きはがし、寄せていくが、
残り3mほどの距離まできたところで、魚の動きが豹変した。
突然流心に向かって走り、潜り、強烈なヘッドシェイクで抵抗を始める!

「この動きは間違いなく鱒だ! しかもデカい…!」

鳴りやまないジリジリというドラグ音と、
分厚い流れに乗っかった尋常じゃない重さに焦りながらも、
鱒の動きに合わせてドラグを調整し耐えていると、
『リバロス ブレイドウィザード810XH』のバットパワーのおかげか、
とうとうその魚体がゆらりと浮かび上がってきた。
そのシルエットは、明らかにモンスターサイズの鱒だ。

はやる心を抑えて慎重に上流に誘導し、
おとなしくなったことを確認してランディングネットを差し出す。
内径55cmのネットにも収まりきらないような大きな魚体にヒヤヒヤしたが、
なんとか一発でランディングに成功!

目の前に横たわったのは、なんと75cmのブラウントラウト。
もちろんこんなサイズは今まで釣ったことがなく、
メジャーを何度も当てて確認してしまった。

『ロンズ スローシンキング9cm』が、
ほぼ丸のみと言っていいほどがっぽり咥えられており、
そのボディーには無数の歯型が残されていた。
うちわのような尾ビレに、筋肉質に盛り上がった背中…
苦戦した一日だったけど、
最後の最後に疲れも吹っ飛ぶ素晴らしい一尾と出会うことができた。

『リバロス ブレイドウィザード810XH』は、
飛距離やルアー操作時の軽快感とシャープさは勿論、
ヒットの瞬間一気に根元まで曲がりこみ、
竿全体で魚とのやりとりが楽しめるその感覚が気持ちよくて、
病み付きになってしまう。
しかも柔軟に魚の暴れを受け止めながらも、
流心に潜り込む大鱒にも主導権を握らせないパワーがあるのだから、
本当に頼もしい。

このロッドを買ったとき、出商店の店主様が、
「ロッドはアンテナだから、今までと違う領域が広がっていきますよ」
とメッセージをくれたのだが、まさしくそのとおりで、
この1年間、使えば使うほど新たな発見や、課題や、楽しさが広がっていった。

おかげで、自分はますます本流にのめり込み、魅了されてしまっている。
勿論、自分の腕ではまだまだ毎回うまいこといくはずはないのだが、
それでもまた心躍る出会いを夢見て川原に立ってしまうのだろう。
これからもよろしく、『リバロス ブレイドウィザード810XH』。