リバロス キャニオニック52L
モフィー50SS(シャローステア)
エクストリーム雑魚スケスケハーフミラー(出商店・オリジナルカラー)
アンバサダー2500C
(出商店・チューニングモデル)
PEライン0.8号&ナイロンリーダー7ポンド
友人謹製
長野県北部の山岳河川
2021年3月上旬
夕方
小雪
氷点下
未計測
アングラー:長野のJustin HieHer(ながののジャスティン ヒーハー) 長野県長野市在住

2021年解禁。
都合でそんなに釣りに時間の割けないボクは、
友人と近所の沢に昼から出かけてみた。

そこは90%ブラウントラウトしかおらず、残り10%はニジマスだ。
みんな下流から上ってきて、そのままそこで暮らしている感じ。

ボクら以外に訪れる釣り人は少なく、めったに誰にも会わない。
ライバルは、この沢の近くにお住まいのおじさんだけ。
解禁にはピッタリだ。

ところがどうしたことか。
釣りを始めてから全くアタリがない。
ヘラブナ釣りでいうところのノーピクだ。
先行者の足跡はないのに…

「うーん?」
と思っていると、川沿いに住むおじさんが軽トラで下りてきた。
どうやらエサ釣りで、今日の晩酌のつまみを確保済みらしい。

「オメェた来ると思わなんだから、
そこの橋の上から釣っちまったどホゥ」
(方言ママ:1)

「おぇ荷台にいるけど見るかぇ?」
(方言ママ:2)

そう言って、軽トラの荷台に置いてある発泡スチロールの箱を開けると、
大人の太ももくらいの太さのメガサイズのブラウントラウトが、
まだ生きていて口をパクパクさせていた。

「これなんだや? 変な色のマスだけん、まぁマスはマスだなガッハッハ!」
(方言ママ:3)

晩酌のつまみ狙いのおじさんに釣られて、なんてふびんなブラウンだ。
しかもふっとい糸に海釣りの投げ竿で。
本当にふびんだし、大切な解禁の釣りが台無しだ(涙)。

「これぁ、今夜ギョッちまうだへぇ、太っててウンマそうだない!」
(方言ママ:4)

「ギョる」とは、長野県北部の山間部の方言で、
「食べる」の意、特に「捕まえたものを生で食す」ときに使います…
おじさんの言葉の後半は、想像に難くありません…(合掌)

ボクらは そのおじさんのダイナマイトトークと、
メガブラウンの姿と運命に圧倒され、やる気を失い、しかも、
先やって悪かったな、これやるよ!
となぜかチョコレートをいただき、帰路につきました。

それから数日。
心にぽっかり穴の空いた、何か虚無感のようなものを覚えつつ、
仕事帰りに無性にあの沢が気になり、1時間だけ立ち寄ってみた。

おじさんが橋の上からメガブラウンをぶっこ抜いたポイントはスルーして、
その上のポイントのトロ尻に立ち、
『モフィー50SS』を結び、ベイトタックルで遊んでみる。
ロッドは非公認で勝手に改造したベイトモデルの、
自作『リバロス キャニオニック52L』 plus(だから何だよプラスって!)。
ところが気温が低すぎて、寒くて寒くてリールが凍り、まともに飛ばない。

1回投げたら霜取りして…
リールを温めて…
再キャスト…

そんなことを数回繰り返すうちに、強烈なひったくり感で、
『リバロス キャニオニック52L』 plusのロッドティップが持っていかれた。
小雪のちらつく気温に、手を入れると痛いくらいの水温。
この状況でも猛ファイトを繰り返す茶色の塊。

ヒットルアーは『モフィー50SS』。
出商店さんオリカラのエクストリーム雑魚スケスケハーフミラー。
しかし、なんてセンスのない下品な名前のオリカラなのだろうか。
名付けた人の顔を見てみたい。

友人が作ってくれたフレーム内径40cmのランディングネットは、
このブラウンにはまるで役に立たなかったけれど、
せっかくだから記念撮影。

釣れてくれてありがとう。
癒してくれてありがとう。
ボクは君のこと、絶対にギョッちまわないからね!