リバロス キャニオニック52M
スピニング6フィート
バイラ50XMD(ヘビーミディアムディープ)
バイラ50XH(エクストラヘビー)
カーディナルC3
PEライン0.8号&ナイロンリーダー8ポンド
友人謹製
太平洋流入某河川
2016年9月21日〜24日
さまざま
ほぼ雨(台風直撃)
未計測
未計測
アングラー:中京のJustin HieHer(ちゅうきょうのジャスティン ヒーハー) 愛知県名古屋市在住

“岐阜の軍曹(ぎふのぐんそう)”さんが、
先日にエントリー(『オーナーズパーティー!』No.346)していた。
なんかボク、鬼畜のように書かれているじゃないか(笑)。
「よーし、アンサーエントリーしちゃうぞ!」
というわけで、スプリーモさんお邪魔します!

岐阜の変態トラウティストが、
なんか有給休暇をたくさんとって、会社のクビ覚悟で釣りをするという…
それはなんとも面白そうだ、ご一緒しようじゃないか(笑)。

行きたいという場所は、ボクが去年良い思いをしたとある山中。
なんでも彼はこの秋の釣りのために初夏からずっと下調べをし、
穴が開くほど地図を睨み、ガケを登り、淵を泳ぎ、
この山岳地帯を丸裸にしていたのだった。
完全にアホだ(笑)。
どれだけ釣りが好きなのよ〜

そしてボクが現場にエントリーできる数日前から独りで先乗りし、
すでに『バイラ50XMD』で50cm近いアマゴをキャッチし、
ボクが着いたころには、
「もう飽きたから帰る」
と言い出す始末…
なにをー!

しょうがない、封印していた取って置きの秋アマゴメソッドを教えて、
引き換えにもう少し付き合ってもらわなければ…
「去年はサー、こーしてこーしてサー」
なんて言いながらミノーを投げるボクに、イワナたちが反応する。
くっそー、台風のせいでアマゴよりイワナがモリモリだぁ。
1匹、とんでもない掛かり方をしたイワナにやられ、リーダーがクチョクチョに…
「ジャスティン、ここ投げていーい?」
と“岐阜の軍曹”さん。
「どーぞー、ラインシステムを組むのに時間が掛かりそうだからやってぇ」
とボク。

心の中では、
「今日の水量ではアマゴなんか出ねぇなぁ」
なんて思っていたのですが…
“岐阜の軍曹”さんにチェンジ1投目で、
まさかのガングロギンギン黄色朱点の40cmオーバーシャクレアマゴが!
「うーそーでーしょー、ボク… の… 魚…」
悔しいから画像は前回の“岐阜の軍曹”さんのエントリーをご覧ください、フン。
思い切りシットにあふれた視線を投げつけてやりました。

ちょっとポイントを変え、また熱い視線を投げかけるボク(笑)。
「い、いいよ… 先やって(苦笑)」
と“岐阜の軍曹”さん。
「あざーす、心の友よ(笑)」
とボク。
しばらくこの視線ビームは使えそうだ!
しかし、ここでボクは気づいてしまった。
増水のこの水量に太刀打ちできる『バイラ50XMD』が、2個しか残っていない。

すかさず視線ビームで訴える。
「こ、これ… 使う?」
と“岐阜の軍曹”さん。
「オー、心の友よ、オブリガード!」

譲り受けた『バイラ50XMD』のマル秘アユカラーを男波と女波の狭間で躍らせる。
去年もこのやり方でデカいアマゴを捕った。
『バイラ50』シリーズが出てからできるようになった必殺技だ。
「こい、こい… さあ…」
「ゴンッ!」
30cmちょい超えのメスアマゴ。艶々でよい感じだが、この旅ではまだまだのサイズ。

さぁ、親兄弟を連れておいで、とリリース。
後ろで“岐阜の軍曹”さんが超ホッとした顔をしている。
どうやら家に帰りたいようだ。が、そうは問屋が卸さない(笑)。
それからは毎日、献身的な妻にように、朝昼晩とレトルトカレーを振舞ってあげた。
食い逃げは許さない(笑)。

しかし、その日から台風が連発で到来し、
川は大増水のナイル川状態となり、釣れるのはイワナばかり。
40cmアップのイワナたちが次から次へと釣れる。
“岐阜の軍曹”さんの心も連日の車中泊とカレー攻撃で限界のようだったので、
その日はほんの少しの優しさでレトルトのハンバーグをつけてあげた(笑)。
風雨で釣りのできない日は温泉巡りと、
“岐阜の軍曹”さんが逃亡しないように、下界まで送迎して回転すしを振舞う。
まだ付き合ってもらわなきゃ。
彼にとってはさぞかし長い1週間の有給休暇であろう(笑)。

旅の何日目だったか、はっきりとは覚えていないが、その日も雨、そして増水。
釣りができないほどではないが、
5フィート2インチの短い『キャニオニック』ではちょっとやりづらい。
ところが“岐阜の軍曹”さん、
そんな日のために『リバロス キャニオニック60M』をちゃっかり仕込んでいた…
「ダーティープレイ!」

ボクはまだ持っていないので、仕方なく他の6フィートロッドで釣るが、
あのパリッとしながらのパラボリックな感じは、
ざっと見渡してもスプリーモ独特の味付けであり、
心底“岐阜の軍曹”さんが羨ましく恨めしい。

そんなボクの心の内がまたもや視線に表れたのか?
“岐阜の軍曹”さんは、この旅一番のポイントをボクに譲ってくれた(笑)。
“岐阜の軍曹”さんの心意気? に応えるためにも、大物を釣らなきゃならん。

水深はおよそ2m、川底に大岩が飛び出していて、
その頂に向かって女波がドーンとよく当たり、その噴き上がりを細かく刻みたいが、
『バイラ50XMD』では流れを噛みすぎる。
「『バイラ50XH』かな…」
ヤマメカラーの『バイラ50XH』を15mほどキャストし底波にシンクロ。
大岩の麓から縦のトゥイッチで男波を這い上がらせるイメージ。

秋の遡上アマゴのアタリは小さい。『キャニオニック』の鋭敏な感度が恋しい。
幾度かバイトらしきものをアワせ損なうが、
魚が完全に縄張りを張っているようすが感じ取れる。
数投目にミスキャストしてしまったが、
狙いたいレーンの横から尺アップの真っ赤なバラのようなアマゴをキャッチできた。

固い握手をしてリリース。
やり方はあっている。
「横のレーンにこれだけのヤツがいたのなら、本線にはどれだけのヤツが?」
ドキドキしながらちょっと休憩していると、上流で“岐阜の軍曹”さんがファイト中。
魚と一緒に走っている(笑)。
「負けてられないよ!」

『バイラ50XH』のフックをチェックする。OK!
標準装備のST36BCは体に刺さると抜くのが大変だけれど、大物相手では安全安心。
さすがは大物ハンター・スプリーモの関さんの選択だ。
キャスト。テンションフォール。ボトムトゥイッチ。
問題の大岩の頂にくる途中で、金属的なコンッというバイト!
「ものにしてやるぜ!」
猛烈なダッシュとローリングを8ポンドリーダーでかわし… かわせない(笑)。
真っ赤な魚体に物怖じしてしまい、慌てて無理やりランディング。

よくやった『バイラ』!
「たくさん子どもを作れよ〜」
とリリース。
このルアーのおかげで捕れる魚が増えた。狙える魚の幅が広がった。
欲を言えば『リバロス キャニオニック60M』で釣りたかった…

これ以上の魚は出なかったが、
その後も2人で尺〜40cm弱のアマゴたちをキャッチ&リリースし、
ようやく“岐阜の軍曹”さんも優しくリリースすることができた。

後日談。
スプリーモオーナーでエグザイル風イケメンの●●さんにこの旅の話をしたら
次の日には片道ウン時間も掛かる遥か遠くのこのポイントにいた(笑)。
まったくみんな、どれだけ釣りが好きなのよ〜