リバロス ブレイドウィザード70L
ロンズ ファーストシンキング7cm
(アングラーズパラダイス・オリジナルカラー)
ステラ2500HGS
PEライン0.6号(12ポンド)&ナイロンリーダー2号(11ポンド)
プラウ75SL
ブレイドバー ガンメタ&ブロンズ
ネットバンド グレー
メッシュバック・ロゴキャップ カーキ/ダークブラウン
長野県 天竜川(てんりゅうがわ)
2016年6月12日
午後3時50分
曇り
未計測
未計測
アングラー:松澤敏之(まつざわ としゆき) 長野県下伊那郡在住

天竜川のほとりに立った。
こんなにすがすがしい気持ちで釣り場に立つのはいつぶりだろう。
ただ自然を感じ、それらと向き合う前向きな気持ち。

実は今日は、退院記念日だ。
つい先ほどまで病室のベッドの上で、僕だけ? の白衣の天使に癒やされていた。
マスク姿の天使たちの瞳はいつも優しさと神秘に満ち溢れている。

お別れの時、
「最後だからその素顔を見せていただけませんか?」
と僕。
すると天使は、
「そうですよね!」
とちゅうちょなくマスクを外し、
「退院してもしばらくは無理しないでくださいね」
にっこり笑い、優しい言葉をかけてくれた。
彼女の素顔も、僕にとってほんとに天使だった。
「分かっています。そんなにすぐに出歩いたりしませんから、再入院も怖いですしね!」
キッパリと答える僕。

その後、病院に迎えに来てくれた妻の車の助手席に乗り込み、
少しずつ元の生活に戻っていくと、自宅近くで天竜川が目に飛び込んできた。
濁りと増水で今年一度も釣りができていなかったエリアが、
今季最高のコンディションで待ち構えている。

勇気を出して、
「ちょっとだけ釣りに行ってこようかな?」
と妻に尋ねると、
「馬鹿じゃないの!?」
と最高の笑顔で答えてくれた。
おおっ! ここでも我が家の天使登場!!

白衣の天使との約束はあっけなく破ってしまったが、
無謀にもそんなこんなでここに立っている。
今日は釣れなくてもいい、ここで釣りができるだけで幸せだ。
そんな満ち足りた気持ちだ。

大好きなスプリーモのロッド、『リバロス ブレイドウィザード70L』に、
大好きな『ロンズ ファーストシンキング7cm』をセットし、
自分の感覚を取り戻すようにそれを泳がせた。
いつもより減水した川底には、普段見る事のない大石が無数に確認できる。

ひととおりダウンクロスでスイングさせた後、
その大石周辺をアップクロスで探りなおす事にした。
本来ならここで根掛り回避のため、
『ロンズ スローシンキング7cm』へと交換するであろう場面だが、
大好きな『ロンズ ファーストシンキング7cm』を使いとおす事に迷いはなかった。

沈み石が形成するスリット状の流れの底を、
軽いトゥイッチングを入れながら誘っていると、突然のヒット&ジャンプ。
すぐにニジマスと分かる最高のファイトだ。
魚が落ち着いたところで、軽く追いアワセを入れれば、
後はしなやかなロッドが最大限の仕事をしてくれる。

意外なほど短時間で『プラウ75SL』に収まったニジマスはネットの中で大暴れ!!
撮影時も元気がよすぎて、逃亡される寸前のオラオラ状態…

「ニジマス君、アナタチョット暴れる場所を間違えていませんか?
でも君は僕にとって銀鱗の天使だよ!」
僕は、流れに戻っていく銀鱗の天使の姿を感慨深い気持ちで見送った。
「ありがとう、白衣と我が家と銀鱗の天使たち」

そして、スプリーモの関さんへ電話で退院を連絡!
「無事退院されたんですね、おめでとうございます!
釣り? 何をされているんですか(笑)?」
とお褒めの言葉? をいただき、
僕の忘れられない退院記念日となりました。