リバロス ブレイドウィザード86MH
パヴロ90SS(スローシンキング)
Sブルー/ピンク
Sシャッド
ステラ4000XG
PEライン1.2号&ナイロンリーダー5号
プラウ90SL
ブレイドバー ブロンズ
ネットバンド セージグリーン
コットンツイル・ロゴキャップ チャコールグレー
富山県 神通川(じんつうがわ)
2016年4月20日
午前5時20分&午後0時9分
晴れ
11〜22℃
11℃
アングラー:植松 千英(うえまつ ちひで)長野県諏訪郡在住

晴天で夏のような陽気の日にサクラマス釣りの遠征をしたのは、
5年ぶりに入漁券の当選となった、思い出深い富山県・神通川。

今回は発売と同時に購入して初投入となる新型の大鱒用ミノー、
『パヴロ90SS』&『パヴロ90MS』が活躍してくれると信じて、
天候と水量が安定している日を選んでの釣行である。

朝一番は暗いうちから、
まとまった遡上が期待できる下流域の最も熱いポイントに立った。
周囲には既に多くのアングラーが並んでいる。
水面の水をかすかにかき回すライズの音で、サクラマスの気配を感じる。

空が明るくなり始めた。
新型ミノー『パヴロ90SS』のSブルー/ピンクをセットする。
まずは渇水状況で流速が遅い流れに5〜6投のキャスト。
流速に合わせたリトリーブスピードで泳ぎを確かめると、
ロッドワークに応えてはっきりとヒラ打ちする感触に、
渓流用ミノーのようなリアクションを想像した。

リトリーブだけで泳がせるセルフアクションからは、
「これならサクラマスが釣れるなと」
と感じられるソニックロールアクションの軽快な微振動が手にくる。

アップクロスにキャストしてからダウンクロスになるまでドリフトし、
『パヴロ90SS』を核心部と読んだスポットに送り込み、
ソニックロールアクションによる高速フラッシングをじっくりと見せて誘う。
すると、
「ドスン」
とサクラマスがヒットした。
まるで絵に書いたような出来事だ。

でもここは、巨大なテトラポッドが水中に多数散乱する超危険地帯。
『リバロス ブレイドウィザード86MH』をフルベンドさせて、
良型と思われるサクラマスと障害物上スレスレでファイトする。
しばらくすると無事に、サクラマスが『プラウ90SL』に収まった。

おそらく『パヴロ90』シリーズで釣れた世界初のサクラマス。
記念すべき1匹である。
体長63cmでフレッシュランの個体であることから、
大潮の影響で海からの遡上があったように感じた。

このあと『パヴロ90SS』は上流域でも威力を発揮してくれた。
渇水のため超深場に潜んでしまった神通サクラマスたちを、
次々と表層へと誘い出してくれた。
2匹目のヒットは、渇水で流れがほとんどない状況となり、
プールと化した水深約3mのランであった。

表層を泳がせた『パヴロ90SS』に、
「ギラン」
と巨大な閃光が走り、食らいつくサクラマスを目視することができた。
がっぷりと『パヴロ90SS』をくわえたと思われるヒットであったが、
しかしその後数秒のファイトでフックアウト。
フックの掛かりが不十分だったのか、痛恨のバラシとなってしまった。
でも、この上流域にもサクラマスが遡上していることは、間違いなさそうだ。
他にアングラーがいないため、渓流釣りのように上流へと移動する。

ここは平水時には全くウェーディングができない激流のランだが、
今日は渇水のため、所々にテトラポッドが露出している。
流心の当たるそのテトラポッドの上の立ち位置からの釣りになるから、
たとえヒットしても、激しい流れと釣り下れない足場の状況だ。
「ここで大型の鱒を取り込むことは困難だな」

それでも今日は極度の渇水なので、
このランでは流心下に潜むサクラマスを狙うしかなさそうだ。
あえてテトラポッド上を渡り歩いて先端に立つと、
流心の流れが足に当たる押しの強さに圧倒された。
そしてこの目の前の激流から、
今日の3匹目が『パヴロ90SS』Sシャッドにヒットした。

思惑どおりにヒットしたサクラマスだが、やはり激流の影響で強烈な引きとなり、
下流にせり出したテトラポッドの山に入り込もうと、激しい抵抗をみせる。
『リバロス ブレイドウィザード86MH』のブランクが、
フルパラボリックの曲がりで鱒をおとなしくしてくれると、
水中に薄っすらと見える沈んだ巨大なテトラポッドたちをかわしていく。

何とか手前まで引き寄せると、激流下を泳ぐサクラマスが見えた。
その姿は、これぞ神通サクラマスだと言える体高で、身幅の厚い超大型だ。

「この激流を下流に下られたら、間違いなくラインかフックがブレイクするな」
と思うと、体中を震えが走った。
体力を少しでも消耗させようと気を配り、激流内を泳がせて時間を掛ける。
強い鱒は激流に潜む、という説を思い出させる抵抗が続く。
こいつをランディングするには場所が悪すぎる。
それでもテトラポッドの隙間に慎重に自分が入り込み、ランディングに挑んだ。

巨大な鱒を流心から2列目のテトラポッドの間に誘導し、
周囲のテトラポッドにラインが触れないように注意しながら、
もう一歩も釣り下れない足場で何とかランディングに持ち込む。
巨大な鱒はぎりぎり『プラウ90SL』に収まり、最後は手で抑え込んだ。
見事な神通サクラマスを仕留めることができた。

『プラウ90SL』が小さいと錯覚してしまうほどの体躯。
体長68cm、体重4.1kgの板鱒に感激した。
またしても水深3mはある場所で、
『パヴロ90SS』はソニックロールアクションの高速フラッシングで、
深場に沈んだサクラマスを誘い出してくれた。
緩流から激流まで、ベストなフラッシング効果で幅広く使用することが可能だ。

今回の釣行で何より意義があったのは、
まだ魚影が薄く、釣れないという情報の上流域の釣りでも、
『パヴロ90SS』に2匹の神通サクラマスがヒットしたということ。
現在の神通川の上流域では、
最盛期でもサクラマスを釣り上げるのは簡単ではないという。

2016年の新型ミノー『パヴロ90』シリーズは、
これから大鱒釣りの中核的な戦力になるだろうと確信した。
今日の出来事は、神通川での忘れられない大きな思い出になる。
ベストに入れるルアーケースを『パヴロ90』シリーズでいっぱいにして、
次の大鱒釣行に挑みたいと思います。