リバロス ブレイドウィザード80M
リップレスミノー8cm
セルテート ハイパーカスタム2500R
PEライン1号&フロロカーボンリーダー14ポンド
ハンドメイド
北海道 支笏湖(しこつこ)
2016年3月24日
午前11時
晴れ
5℃ぐらい
未計測
アングラー:上田 耕(うえだ こう)北海道札幌市在住

私事、まったくもってサイズの出なかった2015年のシーズン…
せっかく知人に作成いただいたランディングネットが、
僕の背中で寂しげにぶら下がっていた2015年シーズン…

気持ちも新たに、2016年はどんな魚に出会えるのでしょう…
札幌も春めいてきた3月のとある平日、
河川は雪代が始まり、リザーバーは中途半端に結氷…
残る選択肢は不凍湖。
モンスタートラウトの潜む支笏湖へ行ってまいりました。

昨シーズンも幾度となく足を運んだ支笏湖。
札幌からアクセスが容易な湖のためフィッシングプレッシャーも相当に高く、
なかなか満足のいく結果が出せない、僕との相性は決してよろしくない湖です。

「魚を見られなくて当たり前」
いつもこれが合言葉。

貧栄養湖ならではの最高の透明度では、
魚からすればルアーを見切ることなんて、簡単なことなのでしょう。
唯一、風と波だけを頼りにアプローチする湖岸を選び、
すっかり日も高くなった午前11時ごろにキャストを開始。

タックルは使い慣れた『リバロス ブレイドウィザード80M』に、
8cmのリップレスミノー。
微妙な湖流や波を察知して、できるだけ抵抗を感じられるように釣る。
いわゆるただ巻きです。

近くにいらっしゃった先行者に声をかけると、1匹釣ったとの返答。
なんとなく釣れそうな予感と共に、2キャスト目にあっけなくヒットしたのは、
十分なエサにありつけていない、ほっそりとしたブラントラウト53cmでした。

魚体に関係なく、この支笏湖でキャッチできたことが正直うれしい。

風に流れた雲の隙間から、春の日が一瞬差し込んで、すぐに消える。
ころころ変わる空を眺めて薄眼になりながら、
あわよくば2匹目のどじょうを狙って、
再び『リバロス ブレイドウィザード80M』を握ります。

「コツコツ… コツコツ…」
「?」

先ほどの魚より小さな、アタリのような感触が伝わり、
ロッドに重さが乗ったのを確認してからスイープにアワセた瞬間!

今までに見たことのないような水飛沫と共に、
訳の分からない大きさの尾ビレで水面をたたき、
ロッドを満月に曲げながら湖底に潜っていく魚がヒット。

ニジマスのような瞬発的なダッシュこそありませんが、
なんせ重いので、リフトするためにロッドは満月をキープ…
途中、クジラのジャンプのような、
「どっぼーん!」
という垂直ジャンプを何度も見せつけてくれ、
あまりの大きさに多少尻込みしながら、
無理やりランディングネットに押し込んだのは…

ブラウントラウト、79cm。
もちろんブラウンの自己新記録達成。

尾ビレの後端には、春の産卵を終えた勲章が残る魚体。
ホオから延びる、青白く光る体色は、
美しい支笏湖の湖水にまるで同化するような輝き。

この1本で十分に満足し、正味1時間ほどの夢の時間は幕を閉じました。

追伸
3日後、この魚に挑発された釣友2人を引き連れ、鼻息荒く支笏湖へ。
そこで待っていたのは、3人で1日頑張って、完全ボーズ。
まだまだ北海道は凍てつく季節のようです…