リバロス キャニオニック52L etc | |
バイラ50XH(エクストラヘビー) Sシャッド Sブラック/オレンジ |
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カーディナルC3 | |
PEライン0.8号&ナイロンリーダー8ポンド or 10ポンド | |
友人謹製 | |
岐阜県 某渓流 | |
2015年9月 | |
さまざま | |
曇りあるいは雨 | |
未計測 | |
未計測 |
昨シーズンの晩秋、『バイラ』の試作品を少し拝借して、その能力に驚きまくった。
『バイラ』は本当にやばかった。
「バイラ、やバイラ…」
釣りながらこんなダジャレがつい出るくらい。
早く製品が欲しい。そして投入したい川の景色が頭の中をグルグル…
釣りたい獲物も決まっている。
「早く、来年の秋になれ!」
とずっと願っていた。
それまではちょっと水量の多いイワナの川で、次の秋に向け練習。
普通のミノーだとひっくり返る水量でもバリバリとヒラを打ち、
女波に入れても浮き上がらない。
フロントのフックハンガーも広くて、さらに尻がブレないから掛かりが良い。
ヒラ打ちもよいが、何より水を大きくかき回すアクション。
大物の側線を刺激する水押し感。
そして#8フックを乗せても普通に泳ぎ切るこの感じ。
特に『バイラ50XH』、こいつだ!
ボクの理想形…
待ちに待った今年の秋がきた。
奥飛騨の本流から上ってくる毒毛虫のような赤点を纏った、
大型のアマゴがボクのターゲットだ。
釣り方は自分では1,000本ノックと呼んでいる、郡上のエサ師の100遍流し。
ミノーをブリブリ・ビラビラさせて、しつこくしつこく投げ、
底にはり付いた大アマゴの側線に訴える。
ついには怒らせてバイトに持ち込む(つもりで)。
ここまで自分の理想どおりに動くミノーに出会ったことがないくらい、
『バイラ』はやばかった。
9月の1週目、
52cmの鬼のようなガングロシャクレアマゴがあっけなく釣れてしまった。
この魚には写真撮影を拒否されてしまったので、
残念ながら『バイラ』との2ショットは叶わなかったが、
毎年色々なミノーを試行錯誤してやっとこさ釣るのに、
「え? もう?」
と拍子抜けしてしまった。
やはり、
「バイラ、やバイラ…」
本当にやばい、これ、ちまたで普通に売っているでしょ?
簡単に誰でも釣れてしまうじゃないの…
「それもやバイラ…」
さらに言えば、自分の家の近所のお店じゃ売っていないから、
「ますますやバイラ…」
それからは根掛かりにびびって投入するのが惜しくなった。
そんな気持ちで投げていたら、釣りに行くたびに『バイラ』をロストした。
10匹はサヨナラしたと思う。
轟々と、秋の長雨を運ぶ川の中に泳いで取りにいく勇気も体力もなく…
「バイラ、バイなら(涙)…」
52cmを連れてきた『バイラ』ともバイならした。
9月の末に近づくころには手持ちの『バイラ』が数匹になった。超戦力ダウンだ。
まだまだ、もっとデカいアマゴが釣りたかったのに。
でも、神様はボクを見捨てなかった。
その日は小雨で若干の増水。
気になっていた落ち込みからガンガン瀬が3本続き、一番奥がクサい。
白泡が瀬全体を覆っていて、遡上した魚たちが隠れるには絶好の流れ。
手前に落とすと木の葉のようにミノーは流れに食われてしまう。
ガンガン瀬に入る筋の上のさらに上にキャストして、ガンガン瀬の下層に入れる。
2投目でなんとなく筋の中身が見えた。
『バイラ』の引き抵抗と、発するアクションから得られる情報もビンビンだ。
なんて感度の良いミノーなんだ。興奮して胃液が出てきた。
3投目、女波をかき回す『バイラ』が、もにゅっと真空ゾーンに入った瞬間、
「ドーンッ!!」
という振動とともにガンメタリックの魚体が下流に下った。
胃液がどんどん出てきて気持ち悪くなりファイトを楽しめなかったが、48cm。
なかなかのアマゴ。
ああやばい、
「バイラ、やバイラ」
なんかもの凄く『バイラ』と自分がシンクロしてきた感じ。
流れの中に自分がいるようだった。
それからは『バイラ』さまさまだった。
他の河川でもバラしたものもあるが、良型の鱒はみんな『バイラ50XH』だった。
月末の最終に、再度48cmを釣った河川に行ってみた。
狙いは同じ3本目のガンガン瀬の中。
今日も『バイラ』の感度で、流れの中が透けて見える。
自分とのシンクロ率100%だ。
「さあ来い! かかってこい!」
『バイラ』が、その名前(バレリーナ)のとおり、水中で美しく舞い踊る。
「もっと激しく、もっともっと!!」
激しくティップを跳ね上げ 『バイラ』をダンスさせたその時、
「バッコーンッ!!」
とロッドが引っ手繰られた。
前回のデジャブか? というくらい、思いどおりのゲーム展開だ。
快心の一激。50cm。メスの良いアマゴ。
かなりの美女だ。傷ひとつなく艶々。毒々しい赤点が最高に奇麗だった。
周りを見渡すと、秋の夕日が遠くに見える御嶽山にかかってきた。
これで禁漁。
「あぁ、もう終わってしまった」
美女と過ごす時間はあっけなく早く過ぎていくものなのだ。
また来秋。