リバロス ブレイドウィザード90H
ディノバ80MDR(ミディアムディープランナー) Sワカサギ
10ステラ4000XG
PEライン25ポンド&ナイロンリーダー23.5ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー ブロンズ
ネットバンド セージグリーン
メッシュバック・ロゴキャップ ダークグリーン/カーキ
長野県 犀川(さいがわ)
2015年8月15日&8月16日
8月15日 午後3時30分
8月16日 午前6時30分&午前9時
快晴
21〜30℃
20〜21℃
アングラー:植松 千英(うえまつ ちひで)長野県諏訪郡在住

蒸し暑い犀川殖産漁協エリアでニジマスを狙う。
久々のこの犀川ビックゲームを楽しみにしていた。
お盆休み中の8月15〜16日の1泊2日で昨年から予約を入れて準備万端、
家族と共に信州新町の温泉宿・さぎり荘に宿泊する。

初日は家族と別れ、自分は犀川での釣りを楽しむ。
夕方からは家族と一緒に、
さぎり荘の名物・サフォークパーティー(顔黒羊の焼き肉料理)で乾杯。
夜は約1,500個の幻想的な灯籠(とうろう)流しが有名な、
犀川下流のろうかく湖で開催される花火大会を満喫。
翌日は朝食までの早朝と、午前10時半まで延長したチェックアウトの時間まで、
十分に釣りを楽しめそうな予定。
今回のお盆休みは、
犀川でビックゲームが楽しめるという好条件が、私にはなによりうれしい。

初日は朝から昼まで数カ所のポイントで釣りをしたが、ノーバイトであった。
魚からの反応を得られないのは、広い犀川ではよくある事。
3月から今日までの釣行回数はわずか1回のみで、
本当に久々の犀川であるため、釣れないのも当然ではある。
高水温とフィッシングプレッシャーの高いお盆時期ともなると、
やはり容易にいかないことは午前中の釣りで感じていた。
そこで、瀬に入った高活性の鱒を期待した。

釣り人のウェーディングにより沖へ追いやられた鱒を狙って超遠投で釣る。
広大な川幅の瀬のベタ底をヘビーシンキングの『ディノバ80MDR』で釣ると、
鱒の鼻先でプラグをじっくりと見せる釣りに、ヒットが多発した。
約40m下流のボトムを捕らえた『ディノバ80MDR』をスイングさせていると、
3ヒットさせる事ができたが、手にできたのは体長50cmのニジマス1匹であった。

成魚放流のニジマスではあったが、
瀬の流心にいたこの鱒はワイルド系の鱒のようにパワフルで、
『リバロス ブレイドウィザード90H』が本領を発揮するほどのファイトがあった。
体長が50cmとなると大型の鱒には違いがないが、
最近まで渓流釣りに没頭していたので、かなりの大きな鱒に感じる。
大本流のニジマス釣りの魅力を再確認し、早めの納竿で宿に戻った。

翌朝は宿の朝食の午前7時半までが、釣りの一つの勝負タイム。
宿の正面がポイントなので、歩いて行ける距離で都合が良い。
ここも昨日と同じような広大な瀬のポイントになっている。
流す筋もたくさんあるので、
丁寧に対岸寄りの竿抜け個所などを探れば、ヒットは期待できるだろう。
流し始めると回収時にバイトがあり、その他のチェイスも確認できた。
その後、深い流心のボトムで体長45cmの良型がヒットした。

これもまたパワフルなファイトでワイルド系の鱒を想像したが、
ランディングすると放流ニジマスであった。
ワイルド系の鱒を求めて、下流のプールに期待した。
ここでボトム攻略スペシャルの『ディノバ80DR』を投入したが、
今回はプールでの反応は感じられなかった。
「瀬狙いが良いな」
と思いつつ、ラフティングボートが流れてこない時間の内に、
広大な瀬をストレスなく釣りたいと思い、直ちに移動した。

このランは昔からフライの釣りでは、瀬に入った大型魚の実績がある。
このポイントで水深のある流心を中心に、
得意のボトムの釣りでワイルド系の鱒を探す。
ミノーの浮き上がりを抑えながら、
対岸寄りの流心付近をミノーの頭を上流に向けたまま流下させる。
狙ったピンポイントで底岩にガツガツとミノーを当てながらドリフトさせ、
40〜50m下流でクロスストリームとなるまでに食わせたい。
そこから回収してくる手前までの区間は無視した根掛かり覚悟の釣り。
それを以前から試してみたかった。

もちろん、手前の流心、カケアガリなどは、
通常のリトリーブの釣りであらかじめチェック済みだ。

この釣りで使用するルアーは、
ヘビーシンキングの『ディノバ80DR』と『ディノバ80MDR』が必要不可欠である。
これらのルアーが登場する前は、
一般的なヘビーシンキングミノーにウェイトを張って重くして釣り、
畳1枚分ほどの面積しかしっかりボトムを捕えることができなかった。
それでも60cmを超える大型ニジマスを5〜6匹は、そのピンポイントで釣ってきた。
ルアーの進化で『ディノバ80DR』と『ディノバ80MDR』が使える現在は、
ボトムを捕らえてからリトリーブしてもミノーが浮き上がらずに、
そのまま低層をトレース可能になった。

今日の水量から、『ディノバ80MDR』を選択。
ロッドはこのメソッドには欠かせない『リバロス ブレイドウィザード90H』。
今はこれがベストなタックルだ。
対岸よりのカケアガリだけをドリフトで流すが、ヒットがない。
「鱒の定位する流れの筋が違う」
と判断して、そこから2mほど手前の流心脇を、再度ボトムを捕えながらドリフトさせる。

すると数秒で根掛かり的な違和感が伝わり、
即座に『リバロス ブレイドウィザード90H』を大きく跳ね上げると、
約60m下流で1mを超える大きな水飛沫が上がり、大きな尾ビレが水面を割った。

超遠投先でのヒットだから、2発目のアワセを強烈に入れた。
するとドラグ音と共にPEラインが一気に引き出された後、
魚は自分より上流側へ猛ダッシュで上り、流心の最深部で止まり動かなくなった。
9ftのハードなロッドをバッドまで曲げる振り幅の大きいヘッドシェイクが始まり、
そのパワーに大本命の大鱒だと確信した。

フルキャストで対岸側を釣る際のドラグ設定は、
アワセがしっかりできるよう通常の2倍の強さにしているが、ヘッドシェイクで、
「ジー、ジー」
と何の抵抗もなくPEラインは引き出されていく。
急いでドラグ設定値を通常状態まで落とした。
その直後から魚はおとなしくなったため、流心から引き離そうとリールを巻くが、
その魚体の重さだけでスプールが逆回転してしまうほど。
「相手は重量級だ!」

全く寄せる事ができない状況に、
スプールが逆回転をしないギリギリ程度にドラグを締めて、
PEラインを少しでも回収できるような設定に変える。
『リバロス ブレイドウィザード90H』は絶えずフルベンドを保っている。
そのまま流心から手前のカケアガリまで、ゆっくりと大鱒を誘導してくると、
予想していたとおりに暴れ出し、2度目の大ジャンプ。
さらに流心をたどり下流へ約30mのダッシュを決め、
水深の浅くなるヒラキのカケアガリに定位した。

自分も下流に走りながらリールを巻いて約40m移動し、大鱒の後ろに回り込んだ。
そこから流れの力を借りて魚を引き寄せようとするが、
頭を下流へ向けようとリールを巻くと、またドラグ音を鳴らして上流に走り、
元居た流心の最深部へと逃げ込んだ。
流速が比較的に遅いその流心最深部をランディング場所に決め、
そこを目指して自分も上流に移動して引き寄せに入る。
するとシルバーの魚体が時折暴れ、水中にギラギラと見える。
その輝きはまるでサクラマスのそれで、
ワイルド系でシルバーの極太ニジマスに間違いなさそうだ。

「体長は60cm後半、もしかすると70cmに達したか?」
と思った瞬間に冷静さを失いかけたが、昨年の同時期に、
ニジマスらしき超大型に思いっ切り走られてやられてしまった経験がよみがえった。
今日は、確実に仕留められる位置に相手は居る。だからこそ、
「捕らなければならないな」
と強く思う。

あまりの魚の重さにランディングが決まらず、1度はミスを犯したが、
2度目は重量級の魚体を浮かせて耐えると、
素早く『プラウ90SL』に頭から滑り込ませた。

確実にネットの中に入った並みではない体高の大鱒は、なんと体長67cm、体重5kg。
超大型の部類に入る魚体は体高と尾ビレが立派で、
ワイルド系のニジマスそのものだろうと想像できる。

しかし、高水温期の鱒はルアーを追うことがないのか?
今回のヒットはすべて、鱒の鼻先にミノーを送り込んでバイトさせるといった、
追わせる釣りとは完全に違う状況下であった。
これから水温が低下していくと、
きっと活性が高くなり、もっと高反応が期待できそうだ。

「今日の大鱒の経験は、次の好期に役立つだろう」
秋冬の大鱒ハイシーズンも、さらなる超大型を求めていきたいと思います。
観光とこの釣りを楽しんだ今年のお盆休みが、
これ以上ない最良の休日であった事は、もはや言うまでもありません。