9月18日の釣りを最後に川から遠ざかっていた。
仕事が忙しく休みがなかったから？
冬眠に備えて荒食い中のヒグマに遭遇したから？
シチューを煮込んでいたから？

いえいえ。
休みもありましたし、ヒグマとご対面もありませんし、
まだシチューは煮込み始めていません。

実は十勝川本流の河原で、激しく、豪快に、ドリフトするように転倒…
結果、顔面から着地し顔と胸を強打…

幸いにも大きなケガはなかったが、
数々の思い出がぎっしりと詰まった『リバロス ブレイドウィザード80M』が、
ぼくの身代わりとなりポキンと折れてしまった。
そのショックが大きく、川に向かう元気がなかったのです。

10月7日。
やっと心の傷も癒えたので、復帰戦の舞台に札内川を選んだ。
10月に入り気温が下がり、一気に秋の川になった。
厳しい冬に向けての荒食いが始まり、1年でニジマスが最も強く逞しくなる時期。

青空の下、久しぶりの釣りにワクワクしながら、
『リバロス キャニオニック60M』に『バイラ』を結びキャストを始めると、
早速20cm前後の小さなニジマスたちがたくさん遊んでくれる。

「大きくなったらまた遊んでね」
と優しくリリース。その後も小さなニジマスの猛攻に合い、さすがに胸いっぱい。

昼食をはさみポイントを大きく移動。
そこは流れに大木が倒れ、その周りが深く掘れている。
『バイラ50M』Sブラック/オレンジを流れの中に漂わせていると、
「ゴンッ」
とアタリ！

「バシッバシッ」
とアワセを入れると、連続のジャンプで抵抗。
「久々の50cmアップか！？」
何とかバラさずに無事ネットイン。

早速大きさを測る。
「やっぱりか…」
「今日もか…」
「あと20mmか…」
「でも楽しかったよ、ニジマス君！ ありがとう！」

10日ほど前に道東の紋別市でハンターに捕獲された400kgの巨大ヒグマを、
数字だけでは上回る480mmのニジマス君。
「オレもやってやったぞ！」
よし、お祝いだ。
今晩はハイボールを飲みながら、冬に備えてシチューを煮込むとしよう！