リバロス ブレイドウィザード70L
ディノバ65MR(ミディアムランナー)
Sドジョウ(ノースカラー)
ステラC2500HGS
PEライン0.6号(12ポンド)&ナイロンリーダー2号(11ポンド)
プラウ75SL
ブレイドバー ガンメタ&ブロンズ
メッシュバック・ロゴキャップ カーキ/ダークブラウン
長野県 天竜川(てんりゅうがわ)
2015年8月16日
午前6時30分
晴れ
未計測
21℃
アングラー:植松 千英(うえまつ ちひで)長野県諏訪郡在住

暑い、とにかく暑い日々が続いている。
このところの釣行は『バイラ50』シリーズの発売もあり、
更にはこの暑さから逃れるように、山岳渓流域を訪れる事が多くなっていた。

8月16日。
この日も当初は標高1600mの山岳渓流釣行を予定していたが、
時間の制約があった事、そして渓流域の多くのキャンパーや釣り人を避けるため、
急きょ自宅から車で3分の天竜川本流・下伊那漁協エリアで釣ることにした。

今シーズンに下伊那漁協エリアは数回釣行してはいるものの、
トラウトからの反応は無く、
近場であってもおのずと足が遠のいてしまうエリアであった。

この日一緒に連れ出したロッドは『リバロス ブレイドウィザード70L』。
河川規模、水量などからして『リバロス ブレイドウィザード76ML』かとも思ったが、
この季節のメーンターゲットとなるアマゴを想定し、
より繊細な『リバロス ブレイドウィザード70L』を選択した。

AM5:00、この時期にしてはとても涼しい朝だ。
タックルをセットし、
夏の日差しを浴び逞しく育ったアシに行く手を阻まれながら、目的の流れへと向う。
そこには『本流羅針盤TRAVELING』Vol.51において、
自称・スプリーモ伊那支部の植田隊長が昨夏、
突然の釣り4.5年生・動画デビューを果たしたあの流れが待っている。

瀬頭から『ロンズ スローシンキング7cm』で釣り下るが、思った反応が得られない。
それどころか大量繁殖した藻類が流下し、ラインにまとわりつく始末。
当然ボトムを取ったら即終了で、
泳ぐ事のできなくなったルアーたちが緑の藻の塊となって帰ってくる。
そんな状況のなか、
ランの途中から水深が増し川底に大きな岩が数個確認できるポイントで、
『ディノバ65MR』Sドジョウへとチェンジした。

藻類を振り払うようなかなり強めのトゥイッチングで、
トレースレンジを下げ過ぎないように大岩周りを刻んでいく。
そしてさらに強めのトゥイッチングを入れた瞬間、
間髪を入れずにロッドがフルベンドし、同時にスプールが高速で逆転を始めた。
びっくりするほど一瞬の出来事で、
PEラインは一気に20〜25mほど持っていかれただろう。
じわじわ寄せに入るもなかなかPEラインを回収できない。
そうこうしているうちに、いきなりロッドからテンションが抜けた…

ラインブレイク…
「やっちまった…(涙)」
どっとくる喪失感と脱力感。
テンションの無くなったPEラインを回収しようとリールを巻くと、
なぜかPEラインが上流に向かって水面に刺さっている!?
「えっ? 」
「えぇ〜??」
夢中でリールを巻くと生命感復活! 
「そんな事ってあるの???」
すると今度は下流に向かってまたまた猛ダッシュ。
「お願い、顔だけは見せてね…」

ちょっと弱気になった僕は、
『プラウ75SL』を背負ったまま『ネットバンド』から網をリリースし、
自ら下って魚に近寄っていく。
そこには『ディノバ65MR』のベリーフックをがっちり咥えたニジマスが、
最後の抵抗を見せていたが、『プラウ75SL』を差し出してその身を横たわらせた。

美しい銀の鱗を纏った元気いっぱいのジャスト50cm。
各鰭の状態は良く、尾鰭にいたっては美しく尖っていた。

その後回収したラインを確認すると、
PEライン先端から5m辺りのコーティングが剥げて傷んでいた。
水中のゴミか藻などにPEラインが巻かれ、
運良くそれが外れた瞬間にラインブレイクしたと感じてしまったのだろう。
それにしても久々に味わうスリリングな勝負だった。

「ありがとう、天竜川!」
「ありがとう、ニジマス君!」
「ありがとう、スプリーモ!」
AM8:15、軟弱な釣り人は太陽の昇った暑い天竜川を後にしました。