リバロス キャニオニック60M | |
バイラ50XH(エクストラヘビー) Sアユ | |
ルビアス2004H | |
PEライン0.8号&フロロカーボンリーダー6ポンド | |
ブレイドバー ガンメタ |
|
長野県 千曲川(ちくまがわ) | |
2015年8月1日 | |
午前5時45分 | |
曇り | |
未計測 | |
18℃ |
「使える物は親でも使え」
亡くなったじいちゃんが冗談交じりでよく口にしていたフレーズ。
孫に向かって何を教えているのやら。
恥ずかしくてとても家訓にはできない言葉を思い出しながら川に立つ。
やっと届いた『バイラ50』シリーズ!
ロストを恐れずに集中的に「使い」込み、各ウェイトの特徴はかなり把握できたつもり。
人にも鳥にもルアーにもスレ切った夏の大型ヤマメは、
表層だけをさらうようなアプローチではなかなか誘い切る事が難しい。
最近のつらい経験を無駄にせず、『バイラ50』シリーズを有効に「使う」。
大石・大岩が多く入った上流の荒瀬から続く本流筋のトロ場。
両岸にテトラが平行に並び、対岸に立ち並ぶアシに穏やかな流れが当たる。
こちらの浅瀬には用水路からの水量のある流れ込みが白泡を立てる。
が、核心部は対岸から数mこちらにある深み。
瀬尻からヒラキまで、対岸に向けて斜めに走る岩盤が作り出すブレイクが、
緩やかにカーブしながら水中に隠れている。
さらに大石がブレイクに寄りかかるように深いボトムに沈む。
地の利を生かして手に入れた情報を最大限に「使い」、
ポイントの地形に即したアプローチでヤマメを引き出す。
切れのあるヒラ打ちができる『バイラ50M』『バイラ50H』ではなく、
あえて『バイラ50XH』を選択。
シリーズ中最も大きなレンジキープ力を「使い」、
ミドルレンジでヤマメをバイトさせるのが狙い。
対岸に向けてクロスに撃ちブレイク際に着水させて、
リーダーに掛かるドラッグと『バイラ50XH』の沈下する力を相殺させながら「使い」、
岩下にタイトに着いたヤマメの視界に違和感なく送り込む。
まずはジャーク気味の強めのトゥイッチを二つ、
ダート幅のあるヒラ打ちを「使い」ヤマメにチェイスのスイッチを入れる。
そしてシェイク気味の弱めのトゥイッチを「使い」、
ミドルレンジをトレースしてヤマメに追わせる。
ごく小さな入力でもしっかりとヒラ打ちをする『バイラ50XH』ならではの誘い。
また、ターンをさせてもレンジを外さずにトゥイッチを掛け続けられるミノーは少ない。
手前の緩やかなブレイクでも『バイラ50XH』の性能が生きる。
いたずらに流れに食い付くだけのミノーではボトムをたたいてしまうが、
釣り人側で自在にレンジの調整ができるため、
見切られやすい最後の局面でも食わせの誘いを掛け続けられる。
核心部で細かくトゥイッチを刻んでしつこく誘う。
ミドルレンジでターンさせた『バイラ50XH』を、
手前のブレイク際でレンジ調節性能を「使い」わずかにリフトさせつつ、
再度強めのトゥイッチを入れた直後、
「ガンッ」
と音がしそうな、ひったくるアタリ。
やや強めに設定したドラグテンションを「使い」しっかりとフックアップさせる。
魚は左右に素早くターンしながら、力強いダッシュでPEラインを引き出す。
手首を柔らかく「使い」ながら荒々しい走りをいなす。
ひとしきり走り回った後は、重い底波に張り付き休もうとしているのか。
ドラグを少し緩めて口切れに備えつつ、
『リバロス キャニオニック60M』のバットパワーを「使って」プレッシャーを掛け続けると、
再度走り始めた。手前の浅瀬で走らせて体力を奪う。
このロッドはトリッキーなファイトにもしっかりと追従してくれるため、
安心してヤマメとやり取りができる。
満を持してネットイン。
最近は一度フックアップさせた魚はバラす気がしない。
『リバロス キャニオニック60M』への信頼感は増すばかり。
やっぱりいいロッドを「使う」べき。
体高もあり、長い鼻が落ちかけたいい魚。
今年一番のファイトを見せてくれた力強いヒレがヤマメらしい透明感で美しい。
サイズ以上の満足感。
自分ができる事をやり切ってこの釣果を得たような錯覚に、ずうずうしくも浸る。
「使える物を全て使え」
そう言えば、幸の薄そうな占い師に随分前に言われたことがある。
「あなたの守護霊は亡くなられたおじい様です」と。