リバロス ブレイドウィザード80M | |
ディノバ65MR(ミディアムランナー) Sワカサギ | |
10ステラ4000XG | |
PEライン1.2号&ナイロンリーダー20ポンド | |
山形県 赤川(あかがわ) | |
2015年6月13日 | |
午前11時15分ごろ | |
晴れときどき曇り | |
26℃ | |
11℃ |
今季、赤川を訪れたのは3月以来の2度目。
前夜も仕事が終わってから、愛車を走らせて夜中に到着した。
途中、酒田の釣友に連絡をすると現地は土砂降りと言っていたが、
到着したら雨は既に上がっていた。
国土交通省のテレメータ水位は20cm程度の増水を示していたが、
しばらく渇水状況だったため恵みの雨となったのかもしれない。
例年なら秋田のサクラマス夏季解禁の遠征を終えると同時に、
サクラマス釣りシーズンを終えるのだが…
今季はサクラマスの遡上が遅れているためと、
3月に訪れた時に食らったノーバイトのリベンジも兼ねた釣行である。
また、この赤川はここ5〜6年の相性がいま一つとあって、
どうしても捕りたい願望がフツフツとわいていた。
久しぶりの6月中旬の赤川釣行に、不安と期待が入り乱れていた。
この日も未明から、中流域から上流域にかけて川の様子を見ながら移動し、
途中のコンビニエンスストアで入漁券を購入。
このお店の店員(淑女)さんは良い情報を持っているので、いつも立ち寄るのだが、
「釣れてないね… 釣れていないから内陸の人は全く来ないよ。
地元の人も納竿した人が殆どだし…」
と、朝からネガティブになるような発言…
今年に限ったことではないが、ダム建設や河川工事によって、
赤川は昔のようなブランドリバーのイメージが薄らいだ感じがする。
昨年の解禁日は賑わったようだが、
他の河川同様に近年の漁獲量は減少し、サイズも小型化しているらしい。
一頃の「赤川サクラ」は昔話になってしまったのだろうか?
上流域に移動すると気になるエリアを見つけた。
昨夜の雨でも濁りは入っていないし、テレメータ水位を確認すると、
もう元の水位まで下がっているが、十分に釣りができる状況。
地元アングラーの一人が既に釣りをしていたが、
話し掛けると本流イワナを狙っているらしく、
上流側に入ってもいいと快く承諾していただいたので、
このポイントからスタートすることにした。
ここのランは上流の荒瀬から始まり、
下流へいくに従い徐々にヒラキになって、トロ瀬になっていく。
右岸側に流心が寄っており、その岸際は岩盤とブッシュ。
しかも川底は大石が点在しているエリアで、左岸側から約200mを釣り下れる。
『リバロス ブレイドウィザード80M』にはちょうどよい。
準備を終えて入川すると水が冷たく感じた。
計測すると、水温は11℃…
この時期にはやはり冷たいと感じる温度。
最上流のブッツケの荒瀬からルアーを流し始めた。
すると、ブッツケの淀みにギラッと魚らしいものが見えた…
「サクラマスだ」
その魚は、60cmくらいの奇麗な銀色をしたサクラマスだった。
淀みの流れに定位し、何食わぬ顔をして泳いでいる。
警戒心はほぼゼロといった感じだ。こちらの存在には気づいていないらしい。
ある程度間合いを取り、上流側から一番信頼できるルアー『ディノバ80MR』をキャスト。
流れに乗せて、魚の目の前でUターンさせる。
しかし… 全く反応がない。
「なぬっ?」
アクションを変えたり、トレース角度を変えたりしながら、
キャスト&リトリーブを繰り返すが全くルアーに反応を示さない…
1時間くらい攻めたが、全くやる気のない魚に脱帽であった。
気を取り直して釣り下ることにしたが、
途中数尾のヤマメがバイトしてきて飽きない程度に一つ目のランが終了した。
また川を見ながら移動を繰り返す。
すると、あるエリアを見ながら脳裏に神通川(じんつうがわ)の経験がよぎった。
「北陸の魚なら、こんな浅い荒瀬にも着くな」
左岸側から川に下りると、
流心付近に大石が点在している水深30〜50cm程度の荒瀬で、
北陸河川に多いシチュエーションに感じた。
魚が着くとすれば、瀬頭から緩流部までの50m区間ってところか…
『ロンズ シャローエディション9cm』からスタート。
2投目で25cm程度のヤマメがバイトした。
もうちょいトレースレンジを下げたいな〜と、
タックルケースから取り出したルアーは『ディノバ65MR』。
『ロンズ シャローエディション9cm』、『ディノバ80MR』では、
狙いより深いレンジを泳がせないと本来の性能が発揮できないため、
この状況下では難しいと考えた。
この『ディノバ65MR』は、
今春の神通川で2本目のサクラマスを捕った経験と反省を生かした選択。
あの時のようにスプーンではなく、ここではミノーで捕りたい気持ちがあった。
しかし、サクラマスが掛かったらフックが心配だが、
そこは掛かってから考えようとポジティブにキャストを始めた。
そして数投目。
対岸近くにキャストして流心直下の沈み石の裏を横切らせた時に、
引っ手繰られるような強烈なバイトがあった。
「ゴンッ、ゴンッ、ゴンッ!」
一発で本命と分かる強烈な引きである。すぐさまアワセを入れると、
『リバロス ブレイドウィザード80M』は奇麗なベンディングカーブを描いた。
荒瀬の流れと魚の引きの相まった強烈な重量にしばらく耐えた。
そんな引き味を『リバロス ブレイドウィザード80M』は不安なく受けとめてくれている。
引き味を楽しみながら魚を流心から離し、緩流帯で姿を確認すると、
テールフックの1本しか口に掛かっていない。
「やばっ!」
と思ったが、意外と冷静に魚を暴れさせないようにランディング位置に誘導し、
そのまま無事にネットインできた。
60cmには届かないが、
久しぶりに奇麗な赤川サクラを手にすることができた…
『ディノバ65MR』のフックを確認すると、
ベリーフックの2本が伸ばされて外れており、テールフックも1本が伸びて、
かろうじて1本のみが下顎にフッキングしているアンビリーバボーな状態だった。
久しぶりの赤川サクラを取り急ぎ携帯電話で数枚撮影したあと、
本撮影をしようとカメラに持ち替えたところ、
「バシャバシャッ!」
とランディングネットから飛び出した赤川サクラは、
「あっ」
という間に元の流れに戻ってしまった。
残念な反面、今季最後のサクラマス遠征で結果が出せたので、
どこかスッキリした気持ちになった。
ところが、悔しい結果が次の日に訪れた…
翌日は、前日一つ目に入ったランに朝一から向かった。
前日の「見えサクラ」が気になったからだ。
とは言っても、前夜の宴の影響でポイントに入ったのは午前7時過ぎ…
あの「見えサクラ」の姿はもうなく、平凡に釣り下りながら探っていった。
対岸の岩盤帯終了間際、
そこは水流が岩盤に当たって不規則な流れを形成しているポイント。
『ディノバ80MR』をややダウンクロス気味に対岸の岩盤ギリギリにキャスト。
流れに乗せてカウントダウンし、
『リバロス ブレイドウィザード80M』を軽く縦にジャークした途端、
「ゴンッ!」
アタリがあった瞬間、ロッドが勢いよく絞り込まれた。
瞬時にロッドを立て直そうとするが、
既に『リバロス ブレイドウィザード80M』は手元からフルベンディングで、
リールのドラグは悲鳴をあげており、
主導権を全く取れないまま、しばらく耐える状況になった。
対岸・左側にあるブッシュに入られるのは防ぎたいと、
ラインブレイク覚悟でドラグロック。
しかし、あえなく生命反応はなくなり、
『リバロス ブレイドウィザード80M』は元の状態に戻ってしまった…
『ディノバ80MR』を回収すると、
ローリングをされたのであろう、ルアーとリーダーが複雑に絡み合っていた。
「こうなると駄目だな…」
と自分の失態を深く反省した。
魚を無理に止めようとした自分のふがいなさに、ひどい自己嫌悪に陥ったが、
来シーズンにまたリベンジしようと心に決めて、
今季サクラマスシーズンの幕を閉じた。
今年から本格的にスプリーモのタックルを使用し、
北陸の神通川、東北の米代川(よねしろがわ)と赤川の3河川で、
4本のサクラマスと出会うことができた。
来シーズンに向けて、
このスプリーモのタックルと一緒に日々精進していきたいと思う。
直近の目標は、初夏の本栖湖(もとすこ)の遠投大鱒釣りと、
その夜の湖畔で楽しい宴を満喫することにしている。