リバロス ブレイドウィザード86MH
ディノバ80MR(ミディアムランナー) Sベイト
ステラ4000XG
PEライン1.2号&ナイロンリーダー20ポンド
富山県 神通川(じんつうがわ)
2015年5月9日
午後5時20分
小雨のち曇り&晴れ
約20℃
約12℃
アングラー:栃本 正輝(とちもと まさてる)長野県上伊那郡在住

東北の震災から4年がたち、長野での単身赴任生活もだいぶ慣れてきた。
今年になって職場が変わり、
この鱒釣りベストシーズンに日本に居られるのは2年ぶり。
そして何と幸運にも、神通川のサクラマス激戦遊漁抽選に当選してしまった。
正直、このところ運から見放されていただけに、これだけで運を使い果たした感も。
これがとんだブラックチケット&ネガティブフィッシャーマンの原因になろうとは…

今年のサクラマスは遡上が遅れているのか? 不漁なのか?
日本各地からも全く良い話が聞こえてこない。
今までの経験上、2年おきにやや不漁、4年に一度は不漁のサイクル。
今年は自分のデータでは不漁の年になる。
しかも、そんな年に限って『リバロス ブレイドウィザード86MH』を新調してしまった。

4月1日の解禁日は遠征しなかったものの、
4月の土・日曜日、休日は、全て神通川遠征に費やした。
4月3日に初出陣するも釣りができる状況には程遠く、
強風、雨、増水、濁りの状況で川には誰も居ない。
まともにロッドを振れたのが4月11日。早々にヒットするも痛恨のバラし…
それ以来、4月中はなかなか水位が平水に戻らず、
全くアタリの無いまま苦戦を強いられた。
5月の連休は福島に戻り、
地元河川でヤマメたちに遊んでもらい、つかの間の休息を取っていた。

連休の明けた5月9日(自分の休みはカレンダーどおり)、後半戦突入。
ネガティブな気持ちのまま、朝8時くらいに神通川に到着。
入りたい場所にすんなりと入れるのが、今年の神通川。
ほんと… 人が居ない。
途中、漁協職員の方に下流域の話を聞くも、
土曜日の朝にもかかわらず、釣り人は5人だけだそうだ。

刻々と時間が過ぎ、用も無いのに電話をしまくり、
今夜の車中泊を覚悟して夕方に入ったポイント。
時間的にも最後のランになるが、本日の流し2回目のポイントである。

小雨も上がり曇り空。
大石の下流、分流になった流れが再び合流し流れが複雑化して、
神通川独特の強い流れが、いったん緩むポイント…
そこにサクラマスが潜んでいると考えていたのだが…
粘るも、やはり不発。

そのままこの長いランを釣り下ることにした。
100mは釣り下っただろうか、激流の流れの中に鏡みたいなフラットな水面。
気が付けば、薄曇りの空から太陽の日差しが。

『ディノバ80MR』をクロスにキャストして、ダウンクロスになるまで沈める。
45度ほどの角度になるまで流下させてから、
ラインにテンションを掛けて『ディノバ80MR』に命を吹き込む。
このキャスト&リトリーブを何度繰り返してきただろう…

『ディノバ80MR』がそのポイントに入った途端、
「ゴンッ!」
という明確なアタリが『リバロス ブレイドウィザード86MH』を絞り込んだ。
反射的に強いアワセを2度入れた。
この引きは、まさしく本命の引き!
周りは石がゴロゴロしているため、
ラインを傷めないように気を使いながらロッドを高く上げて魚を浮かす。
魚がジャンプした時、ベリーのフックがガッチリ掛かっていると確認した。

この『リバロス ブレイドウィザード86MH』…
この時初めて材料にボロンを入れていない理由が分かった。
全く不安がない。
通常ボロンを入れると復元力が強すぎてライン切れの不安がよぎる。
しかし、この『リバロス ブレイドウィザード86MH』にはそれがない。

ただ、ランディングネットに入れるか? そこはちゅうちょしてしまった。
周りは石だらけ… しかも水深が浅い。
思わず2年前のランディングの失敗が脳裏をよぎる。
近寄るも、2〜3度突進され、
そのたびにロッドワークで石を回避しながら、また引き寄せる。
そしてようやく、魚を水から引き離した。
勝利を確信した途端、思わずガッツポーズと、
「ヨッシャ!」
を口走った。

サイズは大きくないものの立派な神通サクラが横たわっている。
しかも鱗がパラパラと剥がれており、
川に入って直ぐにここまで遡上した個体と確信した。

サクラマスは、つくづく「タイミングの釣り」だと思う。
そこには必要なテクニックなどは特別ないと思う。
幾度となく同じルアー、同じキャストの釣りを繰り返しても、
釣れるときは釣れるし、釣れないときは本当に釣れない。

遡上のタイミングに合わせて川に立ち、
その日の状況変化にアングラーがいかに合わせるか。
それがサクラマス釣りなんだろう。

それにしても、釣れていない今シーズン。
釣れると言われた神通川の上流域で結果が出せて安堵である。
「ほっ」

この『リバロス ブレイドウィザード86MH』、
よい相棒になることだろう。