リバロス キャニオニック52L
ディノバ65SR(シャローランナー) Sアユ
プラスチック製シンキングミノー63mm
ステラC2000HGS
PEライン0.8号&フロロカーボンリーダー10ポンド
プラウ75SL
ブレイドバー ブロンズ
ネットバンド シグナルレッド
信州 某山岳渓流
2014年9月25日&9月26日
9月25日 夕方
9月26日 午後3時過ぎ
9月25日 曇りときどき雨
9月26日 晴れ
16℃
未計測
アングラー:新谷 誠(しんや まこと) 長野県安曇野市在住

この日も仕事を早く終わらせて時間をつくり、
秋のヤマメを狙って山岳渓流で楽しんでいた。
前日の夕方は、やや秋色が出始めた奇麗なヤマメをキャッチしていた。

その場所付近に再び行ってみると3人のアングラーの姿があり、
そこで釣りをすることは不可能。

さすがに9月後半にもなると多くのアングラーの姿を目にするようになってきた。
皆さんも狙いは自分と一緒だ、自分も頑張ろう!
健闘を祈りつつ車を走らせ、人が居ない場所を見つけて川にエントリー。
入渓して上流を目指そうと歩き始めると、すでに2人の先行者が…
それなら自分は下流へ行こう。

良さそうなポイントを見つけてはルアーを流し入れ、
下流に向かって歩きながら川を横断、その時。
ガンガンに流れる瀬の中に違和感…
「ん? 魚か?」
瀬の中でも流れの一番急な場所に紫っぽく見えるモノがある。
ゆっくり近くに寄り、目を凝らすと…
真っ黒と紫が混じった色のヤマメだった!
50cmを軽く超えているデカイ奴が、自分との距離わずか4mほどの所に…

気配を悟られないようにその場を離れて上流に回り込み、
しばらく観察してからルアーをダウンクロスに投げ入れて魚の反応を見る。
何回かキャストし、そろそろか…
ルアーの流し方を変え、魚とルアーの距離を縮めた瞬間、
黒くデカイ影が一瞬で動きルアーを噛んだ!
が、フッキングまでは至らず、魚はそのまま下流に下ってしまった…

しかし下られたことで、こちらとしては好都合だ。
あの流れの速い場所では、口を使わせるタイミングがあまりにも少なすぎる。
「少し休ませてから、まただな」
と思い、下流にダウンクロスで『ディノバ65SR』を入れていくと、
川の流れの中央に大きな石が沈んでいるのが見えた。
石の後ろに『ディノバ65SR』を通してやると、ガツン!
『プラウ75SL』に横たわったのは、36cmのピンク色が強くでた奇麗なアマゴだった。

アマゴを写真に収めてリリースし、元気に川に戻ったことを確認。
そろそろあのモンスターと勝負!
再び川を下りながら探していると…
「居た!」
今度は深い場所のカケアガリにベッタリと張り付いていた。
デカイ奴と自分の根気比べが始まってから約3時間がたつ。
いろいろな立ち位置やルアーのローテーションで勝負を挑み、ようやく決着の時がきた。

ルアーが黒い顔の前を横切る寸前にヒラ打ちさせると、
黒くデカイ魚がグワンと動き、一瞬にして居なくなった。
途端に強烈な重みがロッドにのし掛かった。
「えっ?」
と思った時には凄いドラグ音とともに約10m下流に走っていた。
「なんだコイツは…」
『リバロス キャニオニック52L』が尋常ではないくらい曲がっている。
「これ以上下流に行かれたらマズイ…」
流れの強い長い瀬がある。
自分も走りながらドラグを締め込み、
魚を上流に向かせてゆっくりと寄せてくると、姿が見えた。
そして絶句…
60cmを軽く超えたセッパリの凄いヤツだ。

その時こちらの気配を感じたのか、魚は一気に上流へ猛突進。
ドラグをかなり強くかけているのに、お構いなしに上流の瀬まで上っていく。
「もうヤマメじゃない… 鮭だ…」
なんとか魚を落ち着かせようとするが、止まる気配はまるでない。
15分ほど引きずり回され、ようやく下流側の浅瀬まで寄せ、
「これで勝負が決まったか!?」
と思ったら、更に下流に向かって走る。
そして最後の最後まで力強い走りは止まらず、勝負はついた。
軍配は大ヤマメにあがった。悔しくてたまらなかった…

魚に負けたことよりも、自分自身に悔しい思いでいっぱいになった。
魚を見て正直手が震えていたし、気迫負けしていたから、
その時からすでに勝負はついていたのかもしれませんね。
「良い経験ができた」
とあのデカイ魚に感謝し、この日の釣りを終らせた。

次の日もリベンジ戦に、川に入っていたことは言うまでもない。