リバロス キャニオニック52L | |
プラスチック製シンキングミノー53mm | |
ルビアス2004H | |
PEライン0.8号&フロロカーボンリーダー6ポンド | |
ブレイドバー ガンメタ |
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長野県 千曲川(ちくまがわ)某支流 | |
2014年9月18日 | |
午前7時 | |
薄曇り | |
未計測 | |
13℃ |
『リバロス キャニオニック52L』が大きく弧を描く。
アタリもクソもなく、バイトの瞬間からドラグが鳴りまくる。
大型魚狙いとはいえ、ヤマメ狙いのタックル。
スリムなグリップに伝わってくる魚の暴れっぷりは、完全に想定外のヤバイ奴だ。
上流の深瀬には大石がゴロゴロと入っているが、不発だった。
濃いアシ原に囲まれていて入渓点が極端に少ないため、トロ瀬をダウンの釣りで下る。
続く砂底の淵頭の左岸のアシ際に大石が沈んでいるのが見えた。
流心の寄った右岸をまずチェックしてから、
その左岸の大石の上流・直上・裏側にミノーを打ち込んだが反応なし。
「ここは今日もダメかな」
消えきらない白泡が表層を流れる筋にミノーを入れて、
ダウンクロスでショートトゥイッチしていると…
「どひぇ〜〜」
さっきチェックしたはずの左岸の大石辺りから、
50cmを軽く超えるサイズの魚が滑り出てきて、
自分から4〜5mほどに寄ってきていたルアーを引っ手繰った!
反転した魚影は完全に鱒族のシルエット。大きく張り出したヒレは奇麗に尖っていた。
スプールの逆転がわずかに弱まったすきを見て2度アワセを入れたが、
ドラグ音におかしなリズムが付いただけ。気休めか…
「なんじゃこりゃ!? ニジマス? ヤマメ? とにかくゼッテ〜捕る!」
魚の向かった下流は障害物もなく広い。
リーダーは朝一に換えたところだし、ノット周りもさっきチェックしている。
フックサイズも上げて太軸に換えてあるし、ロッドは『リバロス キャニオニック52L』!
備えあれば憂いなし。
「いけるぞ! 仕事に遅刻してでも捕ってやる」
ドラグを鳴らしPEラインを引き出して走り回るが、
少しずつPEラインを巻き取れる時間が増えてきだした。
「よしよし、そのままおとなしくお縄につきな!」
するとまた、強いダッシュが始まった。
ふとリールに目をやるとPEラインの隙間からスプールが透けて見えている。
「しまった! PEラインが少なかったんだ!」
連日の釣りで、PEラインを段々と切り詰めていて、スプールが寂しくなっていた。
備え足らねば憂いMAX!
「ヤバイ! 超ヤバイ! マジでヤバイ(悪いほう)!」
急いで魚について川を下るが、
水深がどんどん増してきてチェストハイウェーダーぎりぎりに…
ロッドを高く上げてつま先立ちで川を下る、白鳥の湖状態。
なんとか淵の最深部はクリアしたが、魚は走り回りながらどんどん下っていってしまう。
こうなればあれしかない!
「必殺! 可変テーパー・プラス!」
『リバロス キャニオニック52L』のしなやかなアクションに加えて、
手首を柔らかく使う地味な大技を繰り出すと、魚の引きが穏やかになった!
「よし、このままサイドをとるぞ!」
ロッドを下流側に向けて構え、徐々に下りながら魚を対岸に見るポジションをゲット。
そして終盤のやりとりへ。
しかし、手元に寄せてくると、その魚体のボリュームに圧倒されてしまう。
「ネットに入るんか?」
ランディングネットのフレームは内径30cm強。
入れ方が悪ければフックを縁に引っ掛けて、暴れられて最悪の事態に…
ただ、網自体は『プラウ』に習ってフレーム内周部分を長めに編み、
対大物用に自分で作った深型のもの。
魚がこちら側に泳ぐタイミングを見てリフトし空気を吸わせると、
水面でボシャボシャと暴れられて冷や汗。
頭を右に向けさせながら寄せ、
「あちょ〜〜!」
と頭からフレームをくぐらせると、
ネットの中で「し」の字に折れ曲がり、尾ビレをはみ出して御用に!
改めて、体の厚みとヒレの大きさにびっくり。マジでヤバイ(良いほう)!
頭も口もヒレも変形などなく奇麗で目を見張る。
濃くはないが透明感のある赤紫のレッドバンドが印象的。
フックは少し伸びていた。
6lbリーダー、10番フックでよく捕れたものだ。
おまけにメインラインは不足気味…(汗)
ロッドが『リバロス キャニオニック52L』でなかったら、本当に捕れていなかったかも。
それにしても、この辺りでどんな風に生きてきたら、
こんなヒレぴんで、こんなに大きく育つのか。
そして、こんなにふてぶてしい顔付きになれるのだろう。
眺めていると、悪代官にしか見えなくなってきた。
リリースして何年か後に再び…
「もう一度悪事をはたらいてみろ。また名刀『キャニオニック』で成敗してくれる!」