リバロス キャニオニック52L
プラスチック製シンキングミノー63mm
ルビアス2004H
PEライン0.8号&フロロカーボンリーダー6ポンド
ブレイドバー ガンメタ
長野県 千曲川(ちくまがわ)中流域
2014年9月8日
午後2時
曇り
22℃
16℃
アングラー:坂谷内康明(さかやち やすあき) 長野県北佐久郡在住

『リバロス キャニオニック52L』が大きく弧を描く。
重量感のある引き。
粘りのあるバットがその抵抗をいなすように受け止めると、大きくジャンプ!
「ジャンプ?」
魚影と共に目の前を横切る赤紫の帯…
鼻先に丸みを帯びたシルエット…

「またお前か〜!」
お盆の特別放流で放された放流ニジマス。
今日はもう3本目。サイズも35cm前後となんとも紛らわしい。

「いいサイズのヤマメか!? …って、おい」
舞い上がって落胆する、を3度も繰り返していると、
盛期前からポイントの細かなレイアウトをチェックしていた自分を思い出して、
情けないやら、腹が立つやら。
ワイルドレインボーの力強さも粘りもない、
おとぼけた顔のお魚に付き合っている時間はない。
「この川では、やっぱり良いヤマメが釣りたい」
目を付けていた上流域にいったん見切りを付けて、佐久地域の分厚い流れに移動する。

数日前の増水から水色は回復しているが、水位はまだ少し高い。
川幅も広く、本来なら6ftから7ftあたりの少し強めのロッドを持ち出すべき流れだが、
「なんとかなるだろ」
と5ft2inchの『リバロス キャニオニック52L』で川に出る。
釣り人の甘い見込みもロッドがカバーしてくれるはず。
他力本願全開で釣り再開。
「俺は覚えているぞ。あの大岩の上手の深みで、以前良いヤマメが釣れたんだ!」
少し遠いが、バットの粘りと抜けの良いガイド設定を活かして、
フルキャストすれば届くはず。

「うなれ! 『キャニオニック』!」、ザシュッ。
…もう少し。
「吠えろ! 『キャニオニック』!」、バシュッ。
…もう一丁。
「叫べ! 『キャニオニック』!」、ビシュッ。
…異常なし。
柳の下にドジョウはいない。
「はいはい、想定内ですよ、次、つぎ」

「あそこも流れが寄り集まって悪くないじゃないか」
着水直後の2トゥイッチ目にすかさずガツンと強めのアタリ。
水飛沫が上がり鋭角的な魚信。強めのアワセに応えるようにジャンプ。
幅広の魚体には薄紫のパーマーク!
大きく張った、先の尖ったヒレが目に焼き付く。
強い引きだったが、するすると手元に寄ってくると何故だかおとなしくなった。
これが噂の可変テーパーの効果なのか。
ネットを差し出すと抵抗を見せたが、
「はい、想定内よ」
無事にネットイン。

見事な体高に惑わされていたが、意外に長さは無く32cm。
しかし。せり上がった背中の筋肉と大きく張ったヒレに思わず見入ってしまった。
睨みつけるような目付きに、大きく尖った歯。
「ワイルドだろ〜」(古!)

サイズ以上の魚体の力強さをなんとか画像に残そうと、
あれこれ試してみたものの、今回も力及ばず。
無理やり背中側からも撮影してみましたが…

「イイんです」
記憶のなかで奴の目付きが挑発する度に、また川に行きたくなるはず。