4月に入り、一気に春らしくなった十勝地方。

明日の休みは久しぶりの釣り！
無数にある十勝川水系の川の何処に入ろうか迷ってしまう…
支流を攻めるほうがニジマスに出会う確率は高そうだけど、
僕が僕らしくあるための、男の本流釣りも捨てがたい…

散々迷った揚げ句、男のなかの男の本流釣りに決めた。

釣りの前には恒例の、牛丼大盛りと味噌汁をいただく。
頼んだものが到着するときは、この前のように、
ホットな味噌汁を太ももにかけられないよう、店員さんの動きに細心の注意を払う。
絶好のピンポイントにうまくルアーが差し掛かった瞬間と同じ緊張が走る。
ところが、数秒しても味噌汁からのアタックはこなかった。
何事もなく牛丼と味噌汁を腹に収め、十勝川中流域を目指す。
今回は味噌汁の活性が低かったのか、出だしから不安になる。

しかし状況は一変、川のコンディションは凄く良さそうだ。
早朝にして水温は4℃もある！
今日は期待できそうだ。いつも以上に気合が入る。
モノスゴイ集中力で男らしく釣っていく！
けれどいつもどおり異常なし！
味噌汁と同じで活性が低いのか…
春の陽気のなか、不意に、最近シチューを食べていないことに気が付いた。
しまった、味噌汁ばかりに気を取られていた！

でもダメだ、今は釣りに集中しなければダメだ！
数カ所目のポイントで、『ロンズ スローシンキング』に根掛かりのようなアタリがきた。
すかさずアワセを入れると、
ドラグを鳴らしてPEラインを引き出しながらゆっくりと下流に走っていく。
「ニジマスか！？」
でもなんだか本命のニジマスの引きとは違う。アメマスとも違う。
「まさか、巨大ウグイか！？」

慎重にファイトをし『プラウ90SL』に収まったのは、
なんと丸々と太ったイトウだった。

サイズこそ57cmと小さいけれど、十勝川本流ではとても珍しい魚。

まったく想定していなかったイトウくんとの遭遇は、まるで交通事故のような確率で、
きっと大切な思い出になるだろう感動的な出来事だ。

「もっと大きくなったらまた遊ぼう！」
と固い約束を交わし、元の流れにイトウくんを戻す。
別れの涙も見せず、振り向きもせず、イトウくんは去っていった。
男のなかの男の胸が熱くなる、ジ〜ン…

その後も頑張ってみたけれど、残念ながらニジマスには会えずに終了。
でも、イトウが釣れたから祝杯を上げた！

数日後、夜の帯広の町を男らしく独りで歩いていた。
小道を渡ろうと、路上駐車していた車の後ろを歩いて左右を確認していると、
いきなりその車がバックで発進。
「ドッカーン！」
先日、交通事故のような確率でイトウくんと遭遇した僕は、
今度は普通の交通事故に遭遇してしまった。
驚き2倍！

バック発進した車に体当たりされ、吹っ飛ばされて強打した、
男のなかの男の肩が熱くしびれる、ジ〜ン…

2014年十勝川釣行、
この先も、僕が僕らしくあるためのミラクルたちが待ち受けていそうだ。