リバロス ブレイドウィザード80M
ロンズ スローシンキング9cm
KGグリーン
Gウグイ
イグジスト ハイパーカスタム3012
PEライン20ポンド&ナイロンリーダー20ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー ガンメタ
ネットバンド ブラック
コットンツイル・ロゴキャップ ダークオリーブ
長野県 犀川(さいがわ)
2013年3月14日
午前11時50分&午後3時50分
雪のち曇りのち晴れ
1〜5℃
8℃
アングラー:STEW熊澤(シチューくまざわ) 北海道帯広市在住

前回のエントリー(『オーナーズパーティー!』No.144)の続きをご報告します。

ポイントに向かって河岸林の中のダートコースをスタック気味に走り回り、
本人は認めないが間違いなく迷子になっているドライバー&案内役、
自称「ガイドサービス・セッキー」のスプリーモの関さん。

「到着しました」
と降ろされた所はすでに何度か車で通過していた河岸林の中の小さな空き地。
やっぱり関さんは迷子だったんだ、適当な場所に降ろされた気配。
「川まで歩いて出られますかね?」
え、北海道の人間に道をたずねるの!?
「出られるんじゃないですか?」
つい口が滑ってしまった。歩くしかない。

林と草地をしばらく進むと犀川上流部の河原に出た、よかった。
冷たい風が吹いていて雪が舞っている。なんだか北海道より寒い。
でもそこは水深のある瀬で、濁りもささ濁り程度になり、何かが起きそうな予感。
ラインシステムを組み直し、
瀬の頭から『ロンズ スローシンキング9cm』を沈めて釣っていく。
関さんからお借りしたリニューアルの『リバロス ブレイドウィザード80M』を振る。

3投目で『リバロス』がグッと押さえ込まれ、アワセを入れるとジワーッと動き出す。
ドラグを鳴らしてPEラインを引き出し、深場へ潜る謎の魚。
真鯉? またニゴイ?
それとも本命の鱒なのか?
早く姿を見たいけれど、全く浮いてこない。
粘り強くファイトをしランディングできたのは、人生初となる大型のブラウントラウトだ!

厳つい顔、分厚いヒレ、惚れ惚れする魚体。59cm。
夢がかなって本州で大型ブラウンを手にできた、うれしい!

独りフェリーに揺られ、長旅でたまった疲れが吹き飛ぶ。
「おめでとうございます!」
すかさず祝福の言葉を掛けてくれる関さん。
まるで自分の魚のように喜んでくれている。

「ぼくの竿で釣ったから、半分はぼくのブラウンですね!」
え、そうするとこのデカ鱒は、実は29.5cmの泣き尺ブラウンなのか!?

記念の写真撮影に付き合ってもらい、ブラウンをリリース。
その後、同じポイントで関さんも50cm弱、40cm弱のブラウンを連発。
「あと1cmずつ大きければな〜」
と嘆いているが、泣き尺ブラウンからのお仕置きに違いない。

コンビニエンスストアで昼食を買い、風が強いので車内で食べようとすると、
「よかったらこれも食べてください」
と関さんが気を使っておかずを差し出してくれた。
昨夜の空揚げの残りを再び食べさせられる。冷たい。
優しさとむなしさに目頭が熱くなる。

昼食を食べ終えてから、釣りを再開。
もう1つ下流の早瀬から深瀬につながるポイントに移動し、
流心の走る対岸に水没した倒木やボサの際を釣っていると、
流下中の『ロンズ スローシンキング9cm』がいきなり持っていかれた。
アワセを入れる間もなく下流に数十m走られたが、
じっくり時間をかけて、魚に付いてウェーディングしながら下っていく。

なかなか浮かない魚で、さっきのブラウンよりも引きが強い。
相当ドキドキしながら緊張の時間を過ごし、
最後にはやっと見えてきた魚を無事に一発でランディング。

本日2本目のブラウントラウトは57cm。
1本目の59cmよりも太く、重い。さらにワニのように大きな口の、迫力の顔。

「おめでとうございます!」
ファイトを見守っていてくれた関さんがガッチリと握手をしてくれる。

かっこいいブラウンたちの連発がとてもうれしい反面、ちょっと怖い。
本州大鱒遠征釣行、できすぎの1日。ばちが当たりそう。

元気に川に戻っていくブラウンを見送る。
夕飯の食材の買い出しと楽しみな温泉入浴もあるので、
その支度のために宿の信州犀川交流センターに戻ろうとすると、
「事故にあいそうなので一緒に車に乗りたくない、バスで帰ってください」
と鬼のような事を言うガイドの関さん。
次に関さんが北海道に来ていい鱒を釣った時には、同じ事を言おうと心に誓う。

買い出しと日帰り温泉の後、
楽しみにしていた長野の釣り人の皆さんたちと、
サフォーク(黒毛和羊)ステーキ焼き肉パーティーの始まり。
初対面なのに釣りの話で盛り上がりお酒がどんどん進む。
酔いが回ると、
うまいお肉が食い放題なのにひたすらピスタチオだけを食べる理解不能な人、
暖房の効いた自分の部屋と間違えて寒い他人の部屋で熟睡する人など、
なかなか楽しい人たちばかり。
本州と北海道の鱒釣りの話題で、深夜まで愉快な話が尽きなかった。

翌日、犀川最終日の朝。
皆が頑張って起きてきても1人起きてこない関さん。
最終日にまた寝坊、それもまさかの大寝坊!!
「寝ずに一晩中、宿泊施設の警備をしていました」 
関さんはどう見ても寝起き直後なのにターミネーターのような事を言っている。
ありえない、ありえない…

結局釣りをできたのは半日程度だった。
でも楽しい3日間だった、そうして忘れられない犀川釣行は終了した。

ただ心残りなのは、あの“流れの弾丸ボーイ”に会えなかったこと。
近藤真彦さんの名曲・北街角を、
頼まれてもいないのに熱唱するという“流れの弾丸ボーイ”の勇姿を見たかった…
60cmアップの見事な巨大ブラウンをスレ掛かりで釣りあげる、
秘技「残念なフッキング」を見せてもらいたかった…
次回の本州・犀川遠征に、大きな期待が膨らむ。