ドキドキしていた…

ゴールデンウイーク中に実家のある長野県松本市に家族で帰省するも、
子供の日の前日に息子が胃腸炎で緊急入院というアクシデントが発生。

病院にはそのまま妻が付き添い、ぽっかりと時間が…

こんな時に釣り行ってもいいものだろうかと散々悩むが、
頭の中でふとあるBGMが流れる。
「男は〜 誰も皆〜 無口な〜兵士〜♪」
去年の冬の犀川（さいがわ）で同行者に教えてもらった、
とても切ない釣行には欠かせないBGMだ。

朝のほんの数時間だけなら… やるなら今しかねぇ！

釣りは「人間サイドで考えるなよ」という、尊敬するある方の言葉を思い出す。
ポイントは実家から30分、息子が入院している病院まで40分。
急な呼び出しでも直ちに駆けつけられる上流部に入る。
完全に人間サイドで考えたポイント選択だ。

流れに対してややヘビーかなとも思ったが、早く勝負を決めたかったので、
『ディノバ80MR』のGブラック/オレンジを対岸のテトラ帯にややアップ目にキャスト、
川の底を転がし、時折軽く跳ね上げる。

ポイントの核心部に『ディノバ80MR』が入ったと思った瞬間、
「ゴンゴン。ゴンゴンゴン！」という明確なアタリに、
身体が勝手にフッキングを入れていた。
今年初の魚だったので、慎重に寄せ『プラウ90SL』で楽々ランディング。

恒例のお口の中のベイトフィッシュチェック、撮影を手短に済ませ、
元の流れに無事にリリース。
当然、釣りを切り上げて帰路についた。息子よ、待っていろ！

おかげさまで息子はすぐに快復し、ゴールデンウイークを満喫。
しかし何かの罰なのか、入れ替わりで胃腸炎になってしまった…
緊急入院した病院のベッドで独り点滴を打たれながら、
薄れゆく意識のなかでバラードのようなBGMが流れている。
「男は〜 誰も皆〜 無口な〜兵士〜♪」

その歌は、戦士の休息。息子よ、パパも早く楽になりたい…

今季の犀川は、ダメダメな父親全開の1匹から始まった。