リバロス ブレイドウィザード86MH
ロンズ フローティング9cm
(グッドフェローズ・オリジナル『ロンズ・レイク』)
10ステラ4000XG
PEライン20ポンド&ナイロンリーダー20ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー ブロンズ
ネットバンド ブラック
コットンツイル・ロゴキャップ ダークオリーブ
富山県 庄川
2012年4月15日
AM9:30
晴れ
16℃
8℃
アングラー:植松千英(うえまつ ちひで) 長野県諏訪郡在住

4月に解禁したばかりの富山県・庄川。今までこの河川は釣行したことがない。
期待で胸を膨らませながら、解禁から週末の度に庄川通いが始まった。
ポイントを探して河原を1日中歩き回り、疲労した身体を癒すため、
庄川温泉に浸かるのが庄川釣行の日課になっている。

今日は友人もサクラ鱒狙いで庄川に入っていて、
夜は近くの道の駅で待ち合わせることになっている。
合流して情報交換するつもりが、まだどちらもサクラ鱒を釣り上げていないのに、
「お疲れさまでした〜!」となり、車中で乾杯をしてしまった。
それでも明日のハードな釣りに備えて、早めに就寝することにした。

翌早朝に目覚めると、隣の車で車中泊していた友人が、
なぜかその車の後部に閉じ込められているようだ。
なんとチャイルドロックが掛かり、朝早くからヘルプミーともがいている。
赤子のような友人を救助してからの遅めの出撃となってしまい、
狙っていたポイントに行くと既に先行者が釣りをしている。
朝一から、場所移動となってしまった。

先行者のいないエリアを見つけ、釣りを開始すると、
対岸に問題児・チャイルドロッカーの車を発見。
彼も狙っていたポイントを他の釣り人に先行されていたようで、
結局私たちは人のいない同じポイントに両岸から入ることになった。

対岸(右岸)の友人と、
「今日は凄く釣れそうな雰囲気があるね!」などと冗談を言い合いながら釣り下り、
良さそうなランを『ロンズ スローシンキング9cm』で流すが、アタリは無い。
ふと気が付くと、自分たちの車が見えなくなるほど釣り下ってきているではないか。
しかし、この下流には庄川には珍しい水深のある広大なランがあり、
これは引き返すわけにはいかないと思い、さらに下流へ下ることを決意した。

対岸は釣り下るのに特に障害はなく有利な感じがするが、
他に気になるポイントがあるのか? それとも車に戻るためなのか?
なんとチャイルドロッカーは上流へ引き返していってしまった。
背後からの分流の合流に阻まれてこれ以上下ることのできない、
左岸側の中州の終わりに独り取り残されてしまったが、
ポイントを独占できると思い、その場所の可能性に賭けることにした。

このポイントは、本流筋の瀬のヒラキに分流が合流する、
サクラ鱒にとって適水勢と思われる流れで、釣れそうな感じのする場所。
『ロンズ スローシンキング』から、
山梨県のプロショップ「グッドフェローズ」さんオリジナル『ロンズ・レイク』の、
サクラ鱒カラーの新色・Sブルースラッシュに変更し、
ヒラキのサクラ鱒を表層に誘い出す作戦にでた。

下流に見えるヒラキに的を絞り、
真正面の対岸ギリギリへ『ロンズ・レイク』をフルキャストし、流心を切っていく。
広く川幅のある場所なので、立ち位置を変え、
『ロンズ・レイク』のトレースコースを微妙に変えて、何度も撃つ。
流心脇の穏やかな流れに『ロンズ・レイク』が入る度に、
『リバロス ブレイドウィザード86MH』を鞭のようにたたき、激しくジャークさせる。
こんな調子で数投すると、『リバロス』のティップがグンと入った。

魚が乗った!

魚の初動が止まると、PEラインは一直線に張って、水面に突き刺さっている。
追い合わせを大きく一発入れると、「ゴンゴンゴン」と振動が伝わり、
ジーッとPEラインを引き出し、下流へ走り出した。
「これはサクラ鱒だ!!」と直感し、
そのダッシュを止めようと『リバロス』を水平に寝かせて魚に向けて走らせると、
魚の突進は止まり、リーリングで引き寄せに入ることができた。

庄川で初めて感じるかなりの重量感。
時折水中でローリングする魚体が見え、良型だと確認できたから、
いつもより慎重なやりとりを心掛ける。
ブルーの『ロンズ・レイク』をバックリとくわえた良型のサクラ鱒が目の前に現れると、
まだ体力が消耗しきっていないと分かり、緊張が走った。
その直後、サクラ鱒は激しく暴れだし、まともに見ていられないような状態が続いたが、
水面で全く動かなくなったところで、『プラウ90SL』に滑り込ませた。
無事、ネットの底に庄川のサクラ鱒が収まった。

極度の緊張から解き放たれた後の、至福の時。
庄川での記念すべきファーストヒットのサクラ鱒は、
体長60cm・体重2.5kgのフレッシュランの個体で、十分に満足のいく1匹であった。

対岸の何所かで釣りをしているチャイルドロッカーに携帯電話で報告すると、
「まじー!?」と驚いた様子で、同時におめでとうと祝福してくれた。

次はきっと友人達が美しいサクラ鱒を釣り上げるのだろうと期待して、
ちょうど鳴りだしたダムの放水を知らせる警告サイレンを聞きながら、
急ぎ足で遠い車まで帰ることとなった。