リバロス ブレイドウィザード86MH
ディノバ 80ミディアムランナー Gレッド
10ステラ4000XG
PEライン20ポンド&ナイロンリーダー20ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー ブロンズ
富山県 神通川
2011年5月15日
AM6:25
快晴
23℃
13℃
アングラー:植松千英(うえまつ ちひで) 長野県諏訪郡在住

今週末もサクラマスを狙いに、新緑の景色に生まれ変わった富山県・神通川へ。
数年ぶりの大増水から数日後。水位は高いが、なんとか釣りができそうな感じだ。
前日後半あたりからの急激な減水をウェブの水位情報で確認して、
川へ向かうことを決断、深夜に神通川へ車を走らせた。

河原で車中泊。朝目覚めると、川の流れる音がいつもよりも大きく聞こえる。
水量は多く、釣りづらい状態。普段は水の少ない所だが、この状況だと良さそうだ。
増水の影響の少ない右岸側に入ることにした。
先行者がいなかったので、明るくなる日の出まで待ち、AM5:30から釣り始めた。

この場所は、300mほども続く水深のある深瀬で、
車よりも大きな大岩が川の中央にある、特徴的な風景のポイントだ。
1時間ほど釣り下ると、もうこの場所の核心部まで来てしまった。
ここでサクラマスがヒットしないなら、他の場所へ移動しなければと思いながら、
『ディノバ 80MR』Gレッドをアップクロスにキャスト。
リトリーブしながら潜行させ、強めの連続的なトゥイッチングと、
鋭角のU字ターンでサクラマスを誘う。

その直後、「ドスン」という重みで、
『リバロス ブレイドウィザード86MH』が大きく曲がるほどの強いアタリ。
まだ朝一で集中力は落ちていない。一発力強く、瞬時にアワセを入れられた。
あとはフックがしっかりと掛っていることと、ラインブレイクしないことを祈るだけだ!

しかし、ロッドを大きく揺さぶり鱒がヘッドシェイク。
フックが伸ばされるかと思うほど強烈だ。
『リバロス』を絞りこむように曲げ、「ジッジッジー」とPEラインが引き出される。
増水で流れがきついためか、
その姿を一向に確認することができないまま、鱒は流心へ向かって潜っていく。
前回釣りあげたサクラマスとは別格で、野生の大型本流レインボーを連想させた。

いったんは鱒を落ち着かせるも、リールを巻き、プレッシャーを与えると、
ラインテンションを保てなくなるほどに激しくローリングされる。
しばらくすると、朝日に照らされてギラギラと回転する鱒の姿が水中に確認でき、
大型であることが分かった。
興奮して気持ちが高ぶる自分を落ち着かせようと一呼吸する。
流心から鱒を引き離しにかかると、
今度は下の流れの中央にどっしりと構えた巨大な岩に向かって動き始め、
10mほど「ギュイーン!」とPEラインを引き出し、大岩の根に入り込もうと走った。
大岩にラインが擦れたら、一巻の終わりだ。

『リバロス』をバットまで奇麗に曲げ、引き離そうと耐えるが、
寄せることはできず、何とか大岩ギリギリを通過させたが、更に下流へと走る。
一時大岩の根に入り込まれたが、それでも最悪の事態は避けることができた。
しかしこのままだと瀬尻どころか、その先の激流へ行ってしまう。

ここでなんとか寄せないと後がないと思い、一気に勝負をかけた。
徐々に鱒を下流の岸へ誘導し、
リールを巻きながら自分も鱒へ向かって走り距離を詰めていく。
適度な距離の所まで行き、鱒にプレッシャーを与えて体力を消耗させること数分。
重量級のその鱒を水面まで浮かせ、
暴れなくなったところで『プラウ90SL』に押し込むようにネットイン。

『プラウ』がいつもより小さく見えるほど、大きく重いサクラマス。
あの暴力的な鱒の走りに自分の体力も消耗し、
気が付くと、ロッドを持つ手が震えているほど興奮していた。
河原の水辺に横たわる鱒を見下ろし、計測すると、
今年最大級の体長67cm、体重3.9kgの神通サクラマス。

口には真紅の『ディノバ 80MR』Gレッドがくわえられている。

立派な魚体にしばらく見とれると、誰もいない早朝の河原で独り空を見上げた。

うれしさのあまり、朝日を浴びてにんまり笑った。