リバロス ブレイドウィザード86MH
ロンズ ファーストシンキング9cm Gブラック
ステラSW4000HG
PEライン16ポンド&ナイロンリーダー16ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー シルバー
長野県 犀川
2010年6月14日
AM6:30
雨ときどき曇り
未計測
未計測
アングラー:NORIXON(ノリクソン) 群馬県安中市在住

20年以上の付き合いになる友人との、犀川釣行。
友人は、本流鱒釣り初挑戦である。
どうしても、犀川のワイルドトラウトを味わって欲しかった。

犀川へ向かう夜道、私はいつもどおりカーステレオから流れる懐メロを熱唱。
でも友人は、ルアーの流し方、ルアーのカラー、魚の居場所など、いろいろと真剣に聞いてきた。
少し緊張し、本気で悩んでいる。しまった、歌っている場合じゃない!

私は友人に、犀川沿いにあるドライブイン「こだま」のホルモン定食が大好きな、流れの釣りを教えてくれた先輩が、かつて厳しく私に与えてくれた言葉、
「川を裸にし、お前も裸になる。そしてガップリ四つに組め!」
を、そのまま伝えたのであった。
友人は、訳も分からず目をギラギラさせ、やる気になっていた。
その時流れ始めた懐かしいロックに、2人の大合唱が始まった!

前日の晩から降り続く雨は、今もなおフロントガラスを打ち続けている…
しばらくしたら川に濁りが入ってしまう…
おそらく朝一が勝負であろう。

私は迷わず、今年好調のポイントを選んだ。
もちろん、友人に先を譲り釣り下ってもらう。
『ブレイドバー』でPEラインシステムをぎゅうぎゅうに締めこみながら、ちらっと下流の友人を見ると、犀川の流れの押しの強さに四苦八苦している。
ルアー操作もままならない状態だ。

そんな友人を見ていると、自分が初めて本流に立った時が思い出される。
「誰でも初めは入門者。いいな」
あの時も、先輩は厳しく教えてくれたなぁ…

上流から友人を見守りながら、私も釣り下る。
友人がそのポイントの核心部に入ったとき、「ゴンッ」
あろうことか私に…!!

深く沈めて引いていた『ロンズ ファーストシンキング』に突然のバイト。
それでも自然としっかりアワセを入れる私。
「ジジッ、ジジッ」ドラグが鳴く。
鋭いダッシュの連続…
トルクフルなファイト…
速い流れでランディングに苦労するも、『プラウ90SL』の大きさを利用し、やや強引にネットin!
やっぱりブラウントラウトだ。

たしか7〜8年前の早春、犀川で初めて釣った鱒もブラウンだったなぁ…
その時、記念写真の撮影をお願いすると、
「主役はお前じゃないだろ、鱒だよ」
とカメラをのぞいた先輩は笑っていたっけ。
私が着ていた菜の花よりも黄色いフリースが目立ちすぎ、せっかくのブラウンが脇役になってしまったのだった。私はまるで河原の邪魔者!
以来私は、釣りの服装に機能以外のささやかな何かを求めるようになった気がする…

「鱒の勝手にさせない。鱒の気持ちを忘れない」
鱒を釣るたび、先輩が自分に言い聞かせるように呟いていた言葉。
当時はよく分からなかったけれど、最近、ふとした時に頭に浮かぶ…
そうだ、しっかりと釣り上げたのだから、優しくリリースしてあげよう。
「ありがとうブラウン、おじゃばね〜!」

初心を思い出す一匹との遭遇に感謝。
こんな出会いがあるから、うまくいかない事があっても、流れの鱒釣りはやめられない。
次こそは友人に、幸せな釣りのスタートを…