2日前に訪れたお盆前の犀川は、連日のにわか雨の影響で濁りと若干の増水を伴っていた。

今日の釣行も当たり前のように朝寝坊をし、昼過ぎに犀川着。
流れの釣りを教えてくれた先輩の言葉「地元の川は朝一をやらない」が脳裏をよぎる。

先輩すみません…
自分、地元の川じゃないのに、朝一、釣りしていません…

心の中で先輩に謝りつつも、「これが俺のやり方だ」と自分に言い訳をし、ポイントに入る。
川を見ると、濁り＆増水はほとんどなくなっていて、釣れそうな水色。
集中し『ロンズ ファーストシンキング9cm』で丹念に底付近を探る。
が、まさかのノーバイト！

ハイ移動、次のポイントです。
「最初に入ったポイントは少し浅すぎたんだよなぁ」と考え、ちょい深めのポイントへ。

なんか釣れそう… と思いながら長いランの中ほどを過ぎても、異常なし。
でも、焦らず集中して『ロンズ ファーストシンキング』を底へ送り込む、ボウズ慣れした自分。

ゴンッ、ジジィーー。

うわっ喰った！！
3度ほどジャンプしましたが、見事キャッチ。

尾びれの立派な虹鱒49�p。

記念に写真を撮影し、無事リリース。

釣った辺りに戻り、4投目にまさかの連続ヒット！
今度は跳ばないけれど、ドラグを鳴らして走り回る。
あたふたしながらも、慎重にファイトしてなんとかネットイン。
50って言いたいけれど49.5�pの、でも美しい虹鱒でした。

すぐ後に同じようなサイズの魚を1つバラしましたが、でも、うれしくてうれしくて。
このランは2日前に先輩が教えてくれた所で、その時先輩は後輩の自分のために車の運転から場所案内、仕舞いには腹の弱い自分の頻繁なトイレピットインまで面倒をみてくれた。
それなのにダメな自分は小型の虹鱒しか出せずに終わってしまった…
2日前、いや、これまでのすべての厚意に、やっと応えることができる！

うれしい気持ちを抑えられず、写メールを先輩に送る。
先日のランで釣ったこと、49cmと49.5cmの虹鱒を2つキャッチし、1つバラしたこと。
簡単な内容だけで失礼かもしれないけれど、急いで報告したかった。
すると先輩からすぐに返信がきた！

「ノーバイトには希望もあるが、バラシは、本流鱒釣りにおける自殺行為だ」

自分には、甘やかすだけではなく、厳しくもしてくれる本流鱒釣りの先輩がいる。
幸せ！

日暮れまで頑張って釣り、タイムアップを迎えると腹ペコでした。
おいしくてよく行く犀川沿いのドライブインに車を走らせて、いつもどおりの馬モツ煮込み定食。
今日釣った虹鱒たちの興奮がまだ冷めてもいないのに、うまい馬モツ煮込み定食と、心地良い疲労、長野の夜の涼しさが、昼間の緊張感を解きほぐしてくれる。
朝寝坊はしちゃったけれど、素晴らしい真夏の本流鱒釣り、楽しかったなぁ。

そういえば、このドライブインこだまを教えてくれたのも、やっぱり先輩だったよなぁ。
たまにはこんな日があるから、流れの鱒釣りはますますやめられない…