万一の転倒時や思わぬ衝撃により、ランディングネットのフレームは折れることがある。『プラウ』は強度という視点から全フレーム材を厳しくセレクト。結果、強大なパワーを誇る筋肉質のフレームを構築。フレーム内周(1層目)から外周(4層目)へ、クイラ / バンブー / クイラ / ソロモンマホガニーの4層を選抜して配置しています。

●クイラ(1&3層目):別名「太平洋鉄木」と呼ばれるほどの硬質材。耐久性の源であるポリフェノールを多量に含有。加工後の反り・曲がり・割れをほとんど生じさせない形状安定性を誇る

●バンブー(2層目):直径15cmを大きく超える太さで、節目間の長い竹材のみを選択。断面肉厚約2cm。さらにその中から「パワーファイバー」と呼ばれる表皮近くの強靭な繊維部のみを採用

●ソロモンマホガニー(4層目):堅牢かつ腐食耐久性、磨耗耐久性に優れる。加工性が良く、成形後の狂いが少ない材質。同時に、杢目の詰まったきめ細かい木肌はその内部から美しい光沢を得る

すべてのフレーム材は継ぎ目のないワンピース材を前提とし、各層を精緻に一体化することで、すみずみまで嘘のない強度を獲得しています。“フォージドフレーム”。比類なき耐久性とタフネス。ランディングネットのウイークポイントを、全域にわたりパワフルに鍛えあげたといえるでしょう。 

 

グリップエンドと同様に、大型ランディングネットのグリップは過酷な状況にさらされています。水辺と車を行き来する間、木や大岩、テトラなどさまざまな障害物から受ける衝撃。それに加えて、ランディングネットに収めたトロフィートラウトを浅瀬に横たえている間中、波に揺られるグリップは周囲の石や岩などに衝突し傷を負う危険性が高い。繊維密度が極めて高く硬質なライチから削りだした“スーパーハードグリップ”。外部からのダメージを受けるグリップを、『プラウ』は超ハードウッドと評される素材自体がガードします。さらに、ライチの中でも杢目が濃密に認められる材のみを採用。光の角度により、艶、濃淡、輝きを鮮やかに変化させる縞模様の虎杢は、見る者に華やぎと高揚を伝えます。材種を厳選し、部位にも厳選を重ねて手に入れたのは、たくましい美しさです。

 

大型ランディングネットを背負い本流に立つ後姿。ネットのカラーは、アングラーそれぞれのアピアランスとして確固たる印象を残す。また、ランディングしたトラウトと共に目に入るネットのカラーは、魚体の美しさを際立たせもし、それより主張してしまうこともある。ダブル編み部のスカイブルー。本体部のディープインディゴ。2色の先染めクレモナ糸を熟練職人が手編みした“デュアルカラーネット”。

視認性を高めたスカイブルーは、ランディングに安全なネット中央部を示す誘導灯の発光として。水に濡れると墨色を強くするディープインディゴは、写真や動画などに記録するトロフィートラウトの美感を引き立て同調していく。アクティブかつジェントルなネットカラーを。『プラウ』の取り組みは、機能と配慮で染めあげたふたつの色を匠の技でひとつにし、意味のあるネットカラーをフィールドに届けることでした。