



3月1日、全国で多くの河川が解禁を迎える。
ぼくも前日から宿に泊まり、
4泊4日の山岳河川の解禁を楽しむことにした。
そのために、ここ2週間は猛烈にお仕事をこなしてきた…(笑)
前日から解禁の釣りに備えて宿にまで泊まり、
翌朝、まずは万全の体制でスタンバイしたぼくの朝は、こうでした。
まず午前6時に起床する。
そして温泉に入り、体を温める。
部屋に戻り、テレビをつけてニュースを見る。
ちょっと横になり、ポカポカの体を堪能する。
その時、同じく前日から、車中泊でポイントのそばで過ごし、
薄暗いうちからすでに釣りを始めている、
友人である“怒りのAFGHAN(いかりのアフガン)”さんから、
猛烈なLINEの通知の連打が来る。
「おっ、釣れたな!」
と思い、確認すると、素晴らしい魚体の画像が。それらを眺め、
「おめでとう!」
と返信した。
ここで友人にいいお魚が釣れたことに安堵し、
ぼくの意識が少し遠退く… 二度寝…(笑)
すると、ぎっくり腰疑惑の隣の部屋の同行者がここで目を覚ます。
(プライバシーの観点から同行者と呼ばせていただきます…)
午前8時、やっと宿を後にした。
まあ、ぼく的には上々の滑り出しであった。
川は渇水がひどく、厳しい状態ではあったが、
朝マヅメから堪能している“怒りのAFGHAN”さんの情報などから、
それでもチャンスはあるだろうと、期待を胸にフィールドへ立った。
そして同行者と共に撃沈… 初日が終る…
そして解禁二日目。
別の河川へ釣り場を変えるも、再び同行者と共に撃沈…
ここで、2023年解禁フィッシングをすっかり堪能した、
“怒りのAFGHAN”さんはウキウキで帰路についた…
解禁三日目。
初日の河川に戻り、ついにお互いに待望のヒット。
ぼくには120mmはありそうな奇麗なヤマメがやってきた。
宿に戻り、同行者と祝勝会を上げた。
解禁四日目。
ついに最終日を迎える。
これまでの三日間の惨敗から、苦渋の決断をして、
水量の良さそうなさらに別の河川へ移動することにした。
開始早々にこの時期としてはいいサイズのヤマメに出会うも、後が続かず…
夕マヅメになり、最後のポイントにエントリーする。
同行者と上下のランに別れて、それぞれエントリーする。
下のランに入ったぼくに、数投後、ついにいいサイズの鱒がバイトした。
慎重に寄せ、流心を過ぎたとき、なんと無情にもフックアウト…
さらにはその後、二度のショートバイトもフックには乗らない…
そんな時、同行者からなにやら危険な香りのする着信が…
「いいイワナが釣れました。見ますか?」
ぼくは、
「おめでとうございます」
と伝え、見ますか? の問いには丁寧にお断りを伝えた。
いつもであれば喜んで見にいくのだが。
なぜだろう…
ぼくの活性がみるみるうちに上がっていく…
そう、時間は午後4時を過ぎた夕マヅメ…
その後、上のランに移動して同行者と合流するも、
「もう少しやらせてください」
と頼み、ぼくは釣りを続けた…
同行者は、先ほどぼくが釣っていた下のランを見に行った。
午後5時頃だろうか、ついにその時が訪れた。
『モフィー60LS』をアップクラスで岩盤際に落とし、
ボトム付近まで沈んだであろうタイミングで、ソフトにアクションを加える。
間をとってから、すかさず今度は、
ラインスラックを使ったジャークでスピーディーに誘う。
食わせの間をとり、ラインを張ると、全く動かない。
根掛かりかと思うほどの重さの先が動くと共に、すかさずアワセを入れる。
とてつもない重さの何かが縦横無尽に動き、荒れ狂う。
とにかく耐えるのみのやり取りが続く。
ロッドワークでしっかりと対応し、徐々に誘導していくと、
『モフィー60LS』を丸飲みにしている大鱒が一瞬目に入った。
「まずい…」
完全にリーダーが歯に当たる位置だ。
全身全霊でラインと大鱒の頭の角度だけに意識を集中し、寄せる。
やっと岸辺まで来たが、当然、ランディングネットには入らない。
大鱒の頭を岸に向け、川岸の窪みに突っ込ませ、
さらに後ろから股で魚体をロックし、ついに捕えた。
その大鱒は、5kg超え、もしくは6kgはありそうな、
とてつもない太さのブラウントラウトだった。
ここまでくると、シートラウトのようだ。
しばらくすると同行者も駆けつけ、固い握手をし、
存分に二人で大鱒を目に焼き付けて、リリースした。
ゆっくりとぼくの手を離れ、岩盤の深場へ帰っていった。
非常に厳しい2023年解禁釣行となった今回の合宿だが、
先に帰路についた“怒りのAFGHAN”さんも、ぼくらも、
素晴らしい鱒に出会うことができ、最高の終わりを迎えることができた。
4日間。
朝マヅメを釣るという概念が全くといっていいほどにないぼくらは、
朝7時出発か、8時出発か、
はたまた10時出発かの壮絶な攻防を毎夜繰り広げ、
さらには移動の最中は釣りの検討はなく、
常に夜ご飯の話しかしない日々を過ごし続けた。
帰り際の最後の晩餐には鉄板焼を食い過ぎ、お互い別々の帰路へ。
こんな天真爛漫な合宿も、ついに幕を閉じた(笑)。
今回の釣行では、スプリーモの関さんに、
『リバロス ブレイドウィザード72L』のプロトモデルをお借りし、
4日間ずっと使用させていただきました。
『バイラ50M』などの繊細なミノーから扱え、
『モフィー60LS』などでのディープレンジのアプローチまで容易。
その幅広い操作性はもちろん、今回のような不意な大鱒にも、
しっかりと曲がり込むことで安心してファイトをコントロールでき、
さらにはランディングできるトルクとパワーを持ち合わせている。
中、大本流域でのテクニカルな釣りを実現してくれる、
軽量で、よく曲がり、強い、素晴らしいロッドだと思います。
これからの鱒たちは、また大変ですね…(笑)
