2016年のサクラマス開幕戦は例年どおり、いち早く解禁を迎える九頭竜川。
降雨による増水が予想される週末ではあるが、週末アングラーの私に選択肢はなく、
「何とか一日は釣りになるだろう」
という思いで今季初のサクラマス釣りに出発した。

1年ぶりのサクラマス釣りに期待度は最高潮。
早朝一番のポイントに選択したのは、上流部の橋脚周りの暖流帯だ。
昨晩に暗闇で目星をつけたそのポイントを、日の出を迎えてから確認する。
変化のある地形と減水により、ここの深みにはサクラマスが休んでいるだろうと考え、
ファーストキャストに選んだのは、『ロンズ フローティング9cm』だ。

久々に使う『ロンズ フローティング9cm』の感覚を確認するため、
2〜3投の練習をしてから、核心部へ一投する。
切れの良い『ロンズ フローティング9cm』のアクシションを更に際立たせるべく、
ロッドワークを駆使してフラッシング効果でアピールを与えると、
「ガッ、ガッ」
と2回の衝撃が伝わった。

これは、
「サクラがチェイスしているではないか？」
すぐに縦のアクション変化を入れて、一瞬リトリーブが止まった時、ロッドに重さが増した。
『リバロス ブレイドウィザード80M』を跳ね上げた縦のアクションが、
同時にアワセとなり、サクラマスがヒット！
弓なりに曲がったロッドと魚の重さから良型に違いないと判断した。
ポイントが暖流帯ということもあり、早々に引き寄せることができ、
水面に顔を出したサクラマスが大暴れする前に『プラウ90SL』に収めることができた。

開始2〜3分の出来事に驚き、まるでまだ車中泊で夢でも見ているかのような感覚…
しかし辺りが明るくなると、
足元に散乱した鱗がキラキラと光り、現実としての実感が増してきた。
超フレッシュランの太いサクラマスは、体長61.5cmで体重3.0kgの魚体。
コンディションの良い個体にうれしさが更に増した。

肩の荷が下りた私は、次々と実績ポイントを回るが、
先行者が大勢で何処もすぐには入れそうもない。
そこで先行者の居ない水深が浅いポイントを釣ることにして、
『ロンズ シャローエディション9cm』で探り始めた。
すると水面下に浮上して『ロンズ』を食い損ねたサクラマスを目視することができた。

その後、あらゆる手段を講じたが、反応が得られなかった。そのため、
「時間をおいて再度チャレンジしよう」
とそのシャローエリアを温存する事にした。

しばらくしてから再び挑戦する。
今度は『ロンズ フローティング9cm』で攻略レンジを下げ、
サクラマスが戻っていったほうにある大きな底石の沈む辺りを探る。
ダウンクロスで刻んで釣り下ると、核心部だと思われる辺りで、
衝撃でラインが切られてしまうかのような強いアタリが来た。
サクラマスが『ロンズ フローティング9cm』を襲い、
水面から水飛沫が上がり、何度もジャンプを繰り返す。
その暴力的な暴れ方と、大型レインボートラウトのような強烈な引きに圧倒された。

人の気配を感じると、今度は下流の荒瀬に入り、そこから次のポイントまで下ってしまった。
下流のポイントは流れが緩く、
「ランディングのチャンスだ」
と、深くウェーデイングしてネットイン！

2匹目の強いサクラマスは、体長64cm、体重3.0kgの雄。
これもまたグッドなボディで、上出来な開幕戦を飾ることができました。

やはりこの春の感動は、信頼できるタックルたちのおかげなのでしょう。
また今年も楽しいシーズンとなりそうですね。