リバロス ブレイドウィザード86MH
ディノバ80MR(ミディアムランナー) Sピンク/オレンジ
10ステラ4000XG
PEライン1.2号&ナイロンリーダー20ポンド
秋田県 米代川(よねしろがわ)
2015年5月27日
午後3時10分ごろ
晴れ
21℃
16℃
アングラー:栃本 正輝(とちもと まさてる)長野県上伊那郡在住

朝6時過ぎに準備を終えて、約1年ぶりの米代川に立った。
水位は平水より10cmほど高いくらいか?
水質はちょいクリア、水温は16℃。
天気は雲っており、雨が降りそうな気配である。コンディションはまずまず。

昨夜は仕事が終わってから長野県を出発し、
夜通し10時間以上も高速道路を走り続けた。
さすがに年齢的な体力の事情から15分程度の仮眠を入れたが、
久しぶりの米代川に興奮して今は眠気がない。

今年から秋田県内の河川はサクラマスが4月1日解禁になり、
今回5月終盤に遠征をした自分には、どこか寂しくなった感じもする。
昨年までは、解禁前日に1年振りとなる釣友たちとの再会を喜びながら、
夜遅くまで川原で宴をし、翌未明には二日酔いの体にムチを打って、
みんなで川に立ち込んでサクラマスを狙っていた事が、
まるで昨日の事のように懐かしく感じられていた。
やはり秋田のサクラマス夏季解禁は、自分の中で、年一度の「お祭り」なのである。

今回の遠征では、その釣友2人が合流する事になっていたが、
諸事情で午後の到着になるらしい。
それまでの間、この場所を起点に独りで上流側へラン&ガンをしようと考えていた。

この場所に入る前に漁協の方のご自宅に行って、日釣り券3日分を直接購入。
ついでに釣果情報も聞いたが、北陸同様にサクラマスは不調のようである。
下流域の有名ポイントではポツポツ釣れているようだが、
ほとんどが単発らしく、爆釣にはなっていないらしい。
今年に限れば、4月1日解禁の恩恵はまったくないようである。

ここまで来てこの状況だと、
気落ちや諦めが入りネガティブフィッシャーマン全開になるのだが、
今春通った神通川(じんつうがわ)での経験から、
不思議とネガティブにはならずにいる感じがした。
起点ポイントを2回流したあと、上流側へラン&ガンをしながら移動し、
再び起点ポイントに戻ってきたところに、釣友の1人が到着。
1年振りの再会を喜びながら2人で起点ポイントに入った。

釣友に先行させて釣り下っていく。
しかし2人で攻めるも反応がない。
流心周りにはサクラマスが着いていないと考えた。

「そうなると、着いているのは対岸側にある馬の背辺りから下流だろう」
と思ったが、今の位置では『ロンズ』や『ディノバ』をフルキャストしても届かない。
あいにくスプーンは車へ置いたままなので、
ベストに入っているタックルケースにはミノーしかなかった。
対岸にルアーを送り込むにはディープウェーディングしかないと考え、
下流側にいる釣友に声を掛けてから、一歩また一歩と前に進んだ。

川の流速から、これ以上は絶対危険と感じる所で、
馬の背に向けて『ディノバ80MR』をフルキャスト!
しかし腰上まで水に入ると浮力で足が踏ん張れず、うまくキャストができない。

そして数投目!
やっと『ディノバ80MR』がポイントに入り、ワンアクションを入れた途端、
「ドンッ!」
と強烈なアタリを感じ、
『リバロス ブレイドウィザード86MH』が奇麗なベンディングカーブを描いた。
不安定な姿勢でアワセがままならないため、
必死にリトリーブでラインテンションを掛けながら浅瀬に移動し、
踏ん張れる位置まで動いてやっとアワセを2度入れた。

初めは難なく寄せる事ができたが、
米代サクラマスはそう簡単に捕る事を許してくれない。
射程距離まで寄ってきた時、魚の体型が把握できた。
「太い!」
と思った瞬間、米代サクラマスが攻勢をかけてきた。
そこから数回突進されるも『リバロス ブレイドウィザード86MH』は、
そのパワーを吸収するかのように受け止める。

今年一番のやり取りを楽しみながら、
最後には米代サクラマスを無事にネットインする事ができた。

ランディングネットに入ったサクラマスは、体長は小さいが体高がある。
筋肉質な体型で、鱗がしっかり定着しており、
鼻先が落ち始めた立派な雄のサクラマスだった。

釣友と勝利の握手を交わす。
1年ぶりの米代サクラマスとの再会に、
しばらくの間、魚を見つめながら感動に浸っていた。

その後、翌日、翌々日も米代川中流域から上流域、また支流にかけて、
釣友と3人でラン&ガンを繰り返した。
2日目、釣友にヒットがあったものの、
残念ながら米代サクラマスを手にする事はできなかった。

また来年…
釣友と一緒に、この米代川に立ちたいと思う。