リバロス ブレイドウィザード86MH
ディノバ80MR(ミディアムランナー) Sブラック/オレンジ
ステラ4000XG
PEライン20ポンド&ナイロンリーダー20ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー ブロンズ
ネットバンド セージグリーン
メッシュバック・ロゴキャップ ダークグリーン/カーキ
富山県 庄川(しょうがわ)
2015年5月16日
午後2時35分
曇り
18℃
11℃
アングラー:植松 千英(うえまつ ちひで)長野県諏訪郡在住

サクラマス釣り終盤戦に突入した今週末は現在、
多くの河川がやや増水で、大潮のナイスタイミング。
しかし北陸地方は、早朝からの雨でさらなる増水と濁りとなり釣りNGが予測される。
行き先が決まらないまま深夜にドライブし、富山県内で車中泊をして夜明けを待った。

車のルーフを雨が激しくたたきつける音で目覚めた。
各河川の水位をウェブで確認すると、時間ごとに水位が上昇している。
その中で水位の変化のない富山県・庄川に行き先を決定し、
遅い起床で2年ぶりとなるフィールドに向った。

お昼に到着すると雨は上がり、水位、濁りは悪くはない。
大潮ということもあり期待できる状況に思えたが、難易度が高い庄川は、
私の経験ではそうは簡単に釣らせてはくれない川なのである。
高い水位を維持したままの状況で、
ゴールデンウイークあたりからサクラマスの遡上が増えて釣れ始まっているため、
「これからが庄川の好期ではないだろうか?」
そう考えることにして、最初にエントリーする場所は、
北陸新幹線開業でフィーバーしている新幹線鉄橋からJR鉄橋付近までの下流域。

下流域は水位が高くても(テレメータ水位・大門:3.89m)、流れが緩く釣りやすい。
しかし本当の理由は、以前と比べてここだけは地形の変化が少ないようだから。
このポイントは、川幅が一気に狭まり水深が深く、流速も速い。
ボトム付近の流れは適水勢な印象で、サクラマスの着く可能性が高いだろう。
流心脇も狙い所だと以前から目を付けていた場所なのだが、
なぜかこの辺りには釣り人が居ない。
「これはラッキーだ」
と思い、中州に上陸した。

流心は対岸にあり、流れが速くルアーを通すのは困難だが、
「川幅中央から手前までと、足元の深いエグレ辺りが怪しいな」
そう思い、40mくらい釣り下ると、ここでブッシュが覆い被さり釣り下れなくなる。
この位置から下流20〜30mはダウンストリームの釣りしかできないが、
川の中央に緩流帯があり、そこが最も怪しいと直感した。
その暖流帯にダウンストリームで『ディノバ80MR』を送り込み、
岸際のブッシュの下もトレースするが、ヒットがない。

「見当違いなのか?」
さらに7〜8m下流まで『ディノバ80MR』を送り込み、
「バン、バン、バン」
とアクションを入れて激しくローリングさせると、
「ドスン」
という明確なアタリが伝わった。強力なアワセを一発入れると、
「ゴン、ゴン、ゴン」
とサクラマス特有のヘッドシェイクが始まった。
ところが今年一番の重量感とパワー、加えて完全にダウンストリームでのヒット。
「下流に走られたら危険だな」
と、『リバロス ブレイドウィザード86MH』を弓なりに曲げて、
抵抗するサクラマスが落ち着くのを待つしかなかった。

耐えること1〜2分ぐらいだろうか、それが凄く長い時間に感じたころ、
やっとサクラマスが暴れなくなり、ひと安心。
岸際のブッシュに逃げ込まれないよう注意をはらい、
PEラインを回収するためにリーリングを続けると、
その重量感に腕がパンパンになり悲鳴を上げ始めたが、うれしい苦痛である。

時間がかなり掛かったが目の前まで引き寄せると、
その姿を確認するため水面まで浮かせる。
すると最後の大きな抵抗を見せ、その立派な魚体をさらけ出した。
体高のある太い魚体と、まる飲み状態の『ディノバ80MR』が確認できる。
すぐにランディングに入ると、
予想以上の太い魚体をなんとか『プラウ90SL』に収めることができた。

サクラマスの口の中に『ディノバ80MR』が半分飲み込まれており、
そのベリーのフックは口に刺さり、
テールのトリプルフックのすべてのハリがのどを塞ぐように刺さっていた。
残念ながらサクラマスは瀕死の状態になってしまったが、
今回も『ディノバ80MR』に絶対に外れない食い方をしていることから、
「このミノーにはサクラマスを誘う何かがあるのだろう」
と感じながら、横たわるサクラマスを観察した。
今季最大のビッグファイトに熱くさせられた今回の1匹は、
この上ない達成感を与えてくれました。

これまでは『ロンズ フローティング』『ロンズ シャローエディション』で、
この川の表層やシャローエリアの釣りに没頭していたため、
『ディノバ80MR』で深場などを釣らなかったことを今になって後悔もした。
同時に、北陸地方では難易度が高いとされる庄川で、
こうしてサクラマスに出会えたことがとても良い経験になった。
「今季のサクラマス釣りは、ここ庄川で終わりを迎えるようにしよう」
と、終盤戦の決心をすることのできた釣行でした。