リバロス ブレイドウィザード90H
ディノバ80MDR(ミディアムディープランナー)
Gグリーン/オレンジ(ノースカラー)&
Gウグイ(ノースカラー)&Gライム/オレンジ
10ステラ4000XG
PEライン24.5ポンド&フロロカーボンリーダー23.5ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー ブロンズ
ネットバンド ブラック
メッシュバック・ロゴキャップ グリーン/カーキ
長野県 犀川(さいがわ)
2014年8月31日
午前5時50分&午前7時45分
22℃
17.5℃
アングラー:植松 千英(うえまつ ちひで)長野県諏訪郡在住

昨日は晴れて良い天候だったが、車中泊での夜は雨の音で起きてしまった。
時折激しく降る雨。更に増水するかもしれない。
「釣りになるのか?」
外はまだ暗闇で川の様子は分からないが、
今日は期待が高い分だけ余計に水位の上昇が気になって仕方がない。

まだ暗いうちから支度を済ませ河原に下りると、
釣り人たちが続々と同じポイント入ってきた。
人気ポイントなので、約60mごとに5人の釣り人が並んだ。
明るくなると川の濁りがきつくなっているのが見え、
水位は5cmほど高くなっているかなという程度の増水。

釣りにはむしろプラス要因と考えるとし、濁りを意識して、
ルアーカラーは限定ノースカラーの「Gグリーン/オレンジ」を選択した。
ゴールド系はブラウンがよく釣れると評判のカラーなので期待ができる。
ミノーはもちろん大活躍間違いなしの『ディノバ80MDR』。
このルアーの登場で、大本流の釣りに大きな武器が生まれた。
大勢のアングラーたちが大型の鱒たちを、
何匹も『ディノバ80MDR』で仕留めている事実があるので信頼できる。
昨年の秋の60cmオーバーのパーフェクトなニジマスも、
中層以下を得意とする『ディノバ80MDR』で釣れたのである。

朝一番の釣り。
お目当ては広大なプールの頭ではなく、
中間部の最深部からの緩やかなカケアガリ付近で、
そこに定位しているだろう鱒を狙いピンスポットを探るような釣りだ。
狙いの流心は対岸寄りで、ミノーではぎりぎり到達できる限界距離。
プレッシャーの掛かっていない朝一からフルキャストの釣りだ。
18gのヘビーシンキングミノーを対岸の中層から低層に沈ませて、
流下するミノーを高速でリールで巻き上げ、
続いて流心辺りでアクションを入れてクロスさせると、
「ドン」
と一発でヒットした。

ロッドにのし掛かる重量感が小型ではないことを教えてくれ、一気に眠気が飛んだ。
「ジリジリ…」
とゆっくりPEラインを引き出すトルクフルな感触、相手はブラウントラウトだろう。
しかも、良型に間違いない。
『リバロス ブレイドウィザード90H』が弓なりに曲がり、
昨日のブラウン同様に、これもまた素晴らしいファイトだ!

まだ薄暗いなか『プラウ90SL』に激しい水飛沫が上がり、
周囲のアングラーからの目線がこちらに集中しているのが分かる。
バラシという最悪の姿をお披露目する事態は発生せずに、
体長48cmの太い雄のブラウントラウトをネットインでき、なんとか格好が付いた。
魚体を見ると、太い尾と大きな各ヒレから、コンディションの良さが分かる1匹である。

10mほど釣り下って流速の速くなり始めた辺りで、
35cmのヒレピンのレインボーがヒットしたところで雨が激しくなり、
安全を考慮して避難することにした。
最近はレインボーがよく釣れるようになり、
サイズは40cmまでだが、小型でも本当によく引く。
サイズアップしたいところだが、思うようにはいかないなと、
雨の弱まるのを待ちながら、「さざなみ裏」(ポイント名)に移動することにした。

移動中に雨は小降りとなり、日が差してきている。
早速河原に下りて、数百mに及ぶ大規模な瀬に入った。
川の中に腰まで浸かって水流に耐えながら上流に上ること約10分、
高活性の鱒を探して、やっとの思いで瀬頭までたどり着いた。
この辺りのボトムにだけは岩が敷き詰められ、岩盤のスリットもあり、
しかもここだけは砂で埋まっていない。
だからこの場所には、鱒が居る環境がいつも保たれていて、
このランを流すと何かしら鱒からのコンタクトがある。

今日は濁りもあり、朝一の釣果から考えても期待できそうだ!
強い流れでも安定して泳ぐ『ディノバ80MDR』Gライム/オレンジを、
アップクロスでキャストしボトムまで潜行させて、
こちらの岸際の深みでの泳ぐ角度を変えて、何度かトレースする。
するとロッドが、
「グッグッ」
と引き込まれて、PEラインが止まった。
何かに触れたような感触を拾い、ロッドを大きく跳ね上げると、
止まっていたPEラインが動き始め、鱒のヒットにようやく気が付いた。

しかし、ロッドが持ち上がらない。
重量級の鱒が瀬の中を泳ぎ、ドラグ音が、
「ジッ、ジッ、ジッ」
と鳴り、スプールが細かく回転してPEラインが引き出される。
『リバロス ブレイドウィザード90H』が大きく揺さぶられ、
フックが壊されそうな衝撃が伝わる。
脇をしっかりと締めないとロッドが保持できない。
明らかに大型の鱒だ!
流心から引き離さないと勝負にならないだろう、
このパワフルな相手はおそらくブラウンだ。

『リバロス ブレイドウィザード90H』が、まるでライトなロッドに感じるほど曲がり、
状況には進展がないまま時間だけが過ぎていく。
鱒との距離を詰めるためにリールを巻こうとしていると、
下流へ下ろうと鱒が頭の向きを変えた一瞬があった。
その瞬間にすかさず一気に流心から引き離すと、
岸際の流心脇にできた流れの緩い深みの底に、鱒ははり付いて止まった。
強烈なトルクで走る鱒をなんとかおとなしくさせたようだ。
何度も鱒を浮かせようとロッドを立てるが、
ランディング体勢にはなかなか入れない。

流心でのファイトで既に片腕の筋肉がパンパンになり、
時間を掛けて腕の疲労を回復させて鱒を浮かせると、
濁りの中に鱒のシルエットが見えた。
その姿は、朝に釣りあげたブラウンが小型に感じるほど「極太」な雄のブラウンだ!
下流までずっと流れの強い区間なので、
確実なランディングができないと身切れでフックアウトの危険がある。
再度『プラウ90SL』に導こうと浮かせたが、暴れて無理ができないうえに、
ネットが小さくみえるほど相手は巨大だ。

3度目のランディングに勝負を掛ける。
腕力をため、川底から水面に浮かせたところで下流へ回り込んで、
流下する大鱒を『プラウ90SL』へ流し込むようにネットイン。
勝負は決まった!
この瞬間がいったいいつ来るのだろうかと、1年前から思っていた。

計測しなくても体長が60cmを超えているのが分かる。
しかも、各ヒレが異常に発達して、骨格が大きく迫力のある雄のブラウン。
これまで釣りあげたブラウンのなかでは、
間違いなく一番パーフェクトな魚体で、体側を飾る模様も奇麗だ。

欠損や、傷も一つもなく、魚体の色も濃い。
「ダム育ちなのだろうか?」
しばらく見とれてしまうほど奇麗だ。
計測すると体長は63cmなのだが、
外観は70cmに錯覚してしまうほど立派なブラウンでした。

このあと同じランで、小型のブラウン2匹とバラシ2匹と楽しむことができましたが、
すべて『ディノバ80MDR』による釣果でした。
犀川でもテスト開発されたミノーで、
『リバロス』との組み合わせではストレスなく使用できるので、
引き続き活躍してくれるでしょう。
これからやってくる秋のハイシーズンは超大型に出会えるチャンスがあります。
80cmの鱒たちが、今年もまた動き始めることでしょう。

今日の釣りは、そんな鱒たちに一歩近付く経験だったのではないでしょうか?