リバロス ブレイドウィザード86MH
ロンズ スローシンキング9cm Sブラック
ルビアス2508
PEライン16ポンド&ナイロンリーダー16ポンド
プラウ90SL
ブレイドバー ガンメタ
富山県 黒部川
2011年3月2日
AM11:00
4℃
4℃
アングラー:坂谷内康明(サカヤチ ヤスアキ) 長野県北佐久郡在住

2011年、幸運にも黒部川のサクラマス遊漁者抽選に当選することができました。
解禁初年度の、自身初挑戦のサクラマスです。

西に薬師岳・立山・剣岳、東に鷲羽岳・鹿島槍ヶ岳・白馬岳。
いずれも3,000m級の山々が作り出す深い渓谷から、途中かの有名な黒部ダムを介して富山湾にそそぐ流程。
水源2,924mから、豪雪地帯の山脈の雪解け水を集めて、わずか85kmの延長で海まで流れ下る圧倒的な急勾配もあって、河口の見える解禁区域も、高低差があり流れにもメリハリがあります。

また河口付近でも驚くほど水がきれい。
日本一の水質であることが認められているそうです。
出し平ダム・宇奈月ダムの連携排砂が河口周辺の環境に与える問題もささやかれるなど不安要素もある黒部川ですが、サクラマスの大物情報もあちこちから聞こえてきて、期待はグングン膨らむばかり。
前日から前のりして解禁日を迎えました。

解禁初日は小雨の降る寒い日でした。
皆が眼の色を変えて挑んだ午前の釣りでは釣果は皆無。
例年よりもさらに渇水した河川状況に早々に見切りを付けていくアングラーも多く、監視員の方々の表情も曇るお寒い解禁日となってしまいました。
私も昼からは河川の地形を把握しようかと、キャストらしいキャストもそこそこに川を歩いて回る有様。
翌日の釣りをどうしようかと迷いましたが、仲間からの熱い?メールに居残りを決め、故障中の愛車に変わり臨時の相棒となった狭い代車の中で、毛布にくるまって2日目の朝を迎えました(ちなみに午後に最下流部で1本のサクラマスが上がっていたそうです)。

早期の釣り・前日のプレッシャー・低水温・例年以上の渇水。
狙うべきポイントも限定されているように思いましたが、釣り人はわずかしか見えません。
朝から舞いだした小雪が時折横殴りの大雪になり、完全防寒にもかかわらず指先が濡れて寒さで感覚を無くす厳しい条件。
おまけに見事な寝不足で頭の中がグチャグチャでしたが、澄み切った流れの中で踊る銀鱗を思い浮かべてキャストを繰り返します。

大きな深場で延々と粘った後、半ばやけくそで他のアングラーが何往復も流していた深瀬に入り数投目、着水の次の瞬間ロッドに重みが乗りました。
『あまり大きくなさそうだ。小型のサクラマスか? たまにサツキマスも上がるらしい。小さかろうがこの一本は絶対にばらせん!!』と慎重に寄せてくると…
紫色? やけに細い??
ネットイン………
白い斑点……

ここまで来て岩魚かい!!!

黒部川遠征の初物は、地元河川で慣れ親しんだ岩魚君となりました。
ぼやく私に地元の仲間が「それでも大物でしょう」と言ってくれましたが、逆に頭の中はサクラマス一色。このままでは終われません。