リバロス ブレイドウィザード86MH
ロンズ ファーストシンキング9cm Sアユ
ルビアス2508
PEライン&ナイロンリーダー
長野県 犀川
2010年2月16日
PM 4:30
曇り
未計測
6℃

初めにお断りさせていただきます。
今回の表題の魚は、今年の解禁での一番の収穫ではありません。

毎年恒例の犀川解禁釣行。今年は2月16〜17日と休暇を取り犀川に乗り込みました。交代制で、比較的自由に休みを合わせられる幸福を改めて実感します。

河川工事などでポイントに不確定要素の多い今年の解禁。ここ数年は、大物の実績のある支流から始めるのがパターンでしたが、昨年・一昨年と釣果はあるものの型に恵まれず、今年は犀川本流を朝一のポイントに選びました。
あれこれと手を尽くしましたが当たりもなく、周囲のアングラーの竿も一向に曲がる気配がありません。ポイント移動を試みますが、人気河川の宿命か、後手を踏んで悪い流れからなかなか抜け出せません。正午を過ぎたころにやっと来た当たりも乗らず、おそらく50cm前後の魚と思われる鱗が1枚。初物と言うにはあまりにも悲しい。

日も傾きかけて最悪の解禁日が頭をよぎるなか選んだポイントは、プールが大きく開いた後、ゆったりと流れて底に根がいくつも沈むポイントでした。『ロンズ』のスローシンキング9cmを長い助走で沈めスローに誘いますが当たりはありません。
頭を切り替えて『ロンズ ファーストシンキング9cm』のアユカラーに結び換えます。底を取り、沈んだ魚の目の前で鋭く跳ね上げ、長めのポーズで食わせの間をつくりながら広く探ると待望の手応え、頬から体側を鮮やかに赤く染めた46cmのレインボーがネットに収まりました。

厳しかった解禁日、曇り続けたまま夕暮れを迎える空の下、冷たく澄んだ流れに映える紅色がなんとも印象的でした。

翌日の朝は件の支流に入りました。川幅もそれほどなく目立った深みも少ない流れですので、7cmのシンキングミノーにスプーンを絡めて、6フィートのロッドで探っていきます。前日のプレッシャーを考慮して竿抜けを探しながらじっくりと流していきますが、こんなときに決まって思うことは「ロンズに7cmサイズがあれば…」
無いものは仕方ありませんので、ローリングアクション・フロント重心のヘビーシンキングミノーで探っていくと数匹の魚の後、なんと67cmのブラウンがやって来ました。アンバランスな体型の細い魚でしたが十分な引きを楽しませてくれました。

「なんだ、スプリーモ・タックルの釣果じゃないじゃないか」と厳しい声が聞こえてきそうですが、2010年解禁の一番の収穫は、この魚との比較でしかお話しできないと思い、登場させました。

犀川本流に戻り昼から入った大きなプール。ガンガンの瀬が勢いを失わずに強い流心をつくり、大きく吹き上がる巻き返しを脇に重々しく流れ下って、開くとすぐ次の瀬に移る難しい流れでした。対岸には大きな岩が並び、かけ上がりの底にはいくつか大きな根が確認できますが、なかなか底までルアーが届きません。
釣り下って来た流れをさかのぼり、狙いのポイントを遥か下流に見ながら、上流の瀬から『ロンズ』のファーストシンキング9cmをドリフトフォールさせていったとき、何の前触れもなくロッドを衝撃が襲いました。
「ゴンゴン」や「グングン」ではありません、「ガゴッ、   ガゴッ、」。一拍の激しさも間隔の長さも、数時間前に手にしたブラウンと比較して、とてつもない大物、重量で言えば2倍以上か。『リバロス ブレイドウィザード86MH』が一気にしなりドラグが唸った途端、テンションが消えました。リールを素早く巻くと『ロンズ』の泳ぐ良く知った振動が虚しく手元に伝わってきました。

『ロンズ』に残った歯型と手に残った衝撃。いますね、犀川にはバケモノがいます。スプリーモの関さんは掛けてやり取りをされたそうですが、自分には当たりだけ… 何もできないまま終わってしまいました。

これが今解禁一番の収穫です。
ラッキーな釣果で高く伸びた鼻をその日のうちにへし折って、この先も寝不足のままヨロヨロになるまで竿を振る為の、きついお灸をすえてもらって来ました。